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ML100−2GBレビュー
モバイルプレイヤーの2台目を購入することになった。
イコライザが壊れたことが結局ヘッドホンだけでなく、本体もこの機会に買い換えるかということになったのだ。
こんなこともあろうかと、モバイルプレイヤー用の予算を組んでいたので、資金の心配だけはしなくてすんだ。
だが、狙っていたソニー製がノイズ問題でイマイチの性能らしいので、とりあえずの2台目ということになってしまい、いつものごとく予算の関係から、いきおいできるだけ安いヤツということになってしまったのだ。
1台目はMPIO製で、128Mの内蔵メモリのクセに2万3千円もしたのもので、追加の128Mメモリカードと合わせて3万円もした。
にもかかわらず曲間に必ずブチッというノイズが入るヤツだったので、一番真っ先に頭によぎったのは、MPIO以外のヤツということだった。
調べてみると、1万円以下でも結構な種類があることが分かった。
しかし、ある程度機能がそろっていて、デザインがそこそこで、できれば2Gのメモリのあるものというと2・3機種に絞られそうだった。
その中からイザ注文しようとしたら、希望の機種の在庫がない上に、よく考えてたら充電式より乾電池式の方が使い勝手がいいではないか。
信じられないことだが、この条件に合う選択肢は、MPIOのML100−2GBしかないのであった。 またもやMPIOだったのだ。
しかも悪いことにインターネットで調べると、やっぱり曲間にノイズが入るだの、スイッチが壊れていたの、日本語フォントがでっかい明朝体だのと、悪い情報ばかり入ってくる。
しかし、安い乾電池式はこれしかないのだ。あまりに粗悪なものだったら、即突っ返す気で、半分その因縁の深さにたじろぎながら、私は購入ボタンを押した。

届いてまずしたことは、梱包を解いて転送ソフトとドライバを確認することだった。
転送ソフトは付いていなかったが、マスストレージ対応ということだったので、それを信じて以降の作業をする。
ケーブルでつないでエクスプローラからファイルを転送する(電池は入れた)。
とりあえず曲間を聴いてみて、噂のノイズを確認する。
ノイズが聴こえる。ちょっとがっくり。
次にチューナーの音を聞いてみることにしたのだが、モードの変え方が分からない上にマニュアルにも書いてない。
よく読むとマニュアルの最後の方に、詳しい使い方はサイトにあるPDFを参照しろと書いてある。「だったらCDに入れとけよ! ほとんど何も入ってないんだから!」といいたくなったが、とりあえず指示に従ってサイトからダウンロードした。
チューナーモードにはできたが、帯域があわないので、バンドを合わせる必要がありそうだった。再びPDFを見て、チューナーのバンド選択の方法を探す。
PDFを読むのに慣れるにしたがって、ML100の操作のクセがわかってきた。
液晶は3行表示しかできないし、メニュー表示される[Audio][FM Radio]という文字が、現在画面の次の画面にも表示されるので、自分がいまどこにいるのかわからなくなってしまうのだった。
そのうえ、ML100はAD−FD100譲りのジョイスティックを持っているのだが、このジョイスティック、機能ごとにOK入力のスイッチ方向が違うのだ。縦クリックしてOKの機能もあれば、右クリックでOKの機能もあり、そうかと思うと左クリックでOKのものもあったりして、非常に統一性がない。AD−FD100よりかなり使いやすくなっているのだが、これは残念な部分だ。是非改善してほしい。
ちなみにバンド設定は、2画面目の[FM Radio]で設定した。
ここまで確認してからようやく、気合を入れて日本語表示選択をやってみることにした。
間違って選択すると英語以外の表示となって、何を表示しているかわからなくなるという事前情報を得ていたので、どうもジョイスティックでのOK設定に慣れてからでないと、とんでもないことになりそうな気がしたからである。
設定は[ディスプレイ]で[JAPANESE]を選ぶだけである。慎重に[JAPANESE]を縦クリックして設定完了した。
ケースの見掛けはそれなりだが、スイッチのできはお粗末だ。クリックすると、スイッチバー全体が歪む。ケースは一見するとメタリックメッキ処理のように処理されているに感じるが、実は単なるプラスチック製なので、実際に手にとって見ると1万円以上するものに比べてチャチに見える。8000円の代物であるので致し方ないところだろう。
同様に値段のせいもあってか、ケースはついていない(ストラップはついているが)。

試聴は、MP3−256kbpsで行った。
操作性に散々文句をつけたが、階層フォルダ対応は、フォルダイン/フォルダアウトのどちらもジョイスティックだけでできるようになったので非常に便利だ。
これはアルバムフォルダ間を行ったり来たりする機能で、これがことのほか便利なのだ。他機種では日本製でもあまり採用されていないようなので、操作性で選ぶならこの点は十二分に認められていい、というかぜひ世界標準になってほしい。このオペレーションに慣れてしまうと、これが採用されていないその他の機種は使えなくなってしまうくらいだ。
再生開始時のフェードインも、曲変更時のフェードアウトも好感が持てる。
ML100は乾電池対応なのが売りなのだが、電池性能に対する反応は敏感そうだ。
同じSANYOの電池でも、100円ショップ用アルカリ電池とeneloopでは音がまるっきり違って聴こえる。
100円ショップ用アルカリ電池では高域がきつくなるだけなのに対して、eneloopでは低音も豊かだし高音も素直に伸びて聴こえる。
イコライザはついているが、100円ショップ用アルカリ電池ではオーディオテクニカ ATH−CK9をちょうどいい質感に設定することができなかった。eneloopでは(帯域の)下2つを+2にして、上2つを+2にするとピッタリという感じにできたが。
低音は柔らかいが、ポップスやロック中心に聞くならSONY MDR−EX90SLの方が相性がいいようだ。低音部の下のレンジ2つを−2にして、上の2つのレンジを+2くらいにするとちょうどいいようだ(eneloop使用時)。
WMAとMP3でも質感がまるで違う。内部でのイコライザ設定が違うのかもしれない。
一応WMAは128kbpsを使用したのだが、WMAではとにかく音が硬くて大げさだ。低音/高音部のアタック音がいちいちきつくて、要は極端なドンシャリ型の音になる。高音が素直に伸びていなくて、耳障りなくらいにシャリシャリ音になるのもつらい。低音は必要以上にドンドンした音になる。
MP3では256kbpsを使用したせいか、MP3の音は伸びやかだった。
低音/高音ともに素直に伸びて、硬くきらびやかに響いてほしいトランペットの音も変に柔らかく響いたりしないでそれなりに聴こえる。この音なら音楽を聞くのに1万円台前半のものに引けをとらないのではないかと思わせられるものだった。
結果、価格を考慮しないでMP3プレイヤーだけと考えてもよくできていると思う。
ただ唯一の難点は、曲間ノイズである。
1曲単体ではフェードインするので聴こえないが、曲を連続演奏すると曲間に「ブツブツ」というノイズが入るのだ。
調べてみたが、MP3ファイルそのものにはノイズが入っていないようなので、おそらくプレイヤー側でのノイズであろう。
曲(ファイル)が終了するときと、曲が始まる直前に聴こえるようだ。
ホワイトノイズ云々をどうこういうつもりはないが、この類のノイズは入っていない音を出すという点で、プレイヤーとしてはちょっと許しがたい。
倍速再生機能も付いているし、やはり語学用ということであろうか。
現在1万円以下の日本語対応機で唯一の乾電池対応機種で、しかも価格は8000円。それでメモリ2Gである。日本製ではちょっと作れないのではないか。
語学用、あるいはノイズを気にしない方になら、セカンド用として最適の1台だと思う。
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