また1回落としてしまいました。
まあ、今月はクッキングの更新も考えていますので、許してやってください。
というわけで、今回はお待たせしましたというか、ソニーのNW−S616Fのレビューです。
ほぼ半年に及ぶいろいろな検証の結果、ようやく実用に足るものを手に入れることができた、というのが本心です(本品は実用に足るどころか、十二分に遊べます)。
MP3フォーマットやモバイルプレイヤーというものが世に出てから、もう何年も経っているというに、どのメーカーのものを選んでも大丈夫という時代になっていないことは、バブル崩壊後の10年間の技術の停滞がいかなるものだったかを如実に物語っている気がします(ML100−2GBの8000円には舌を巻きましたが)。
NW−S616Fが大丈夫だという根拠は、
1.曲間ノイズが皆無(当たり前のことですが)。
2.変な操作を覚えるひつがない(この辺にはチョッと不満もあります)。
3.恐ろしく不便な思いをしてCDの曲を転送する必要がない。
4.当たり前に、音質がよい。
ということに基づいています。
曲間ノイズが載らないことは、オーディオ機器ならば当然のことですが、これだけの性能をもつものを手に入れるために、私は半年間とんでもない苦労をしました。
アマゾンに何回返品したことか。多分、私はブラックリストの先頭に載っていることでしょう。
プレイヤーの操作が分かりやすいのも特徴です。操作は、「上下左右」キーと中央の「決定」キーで行うようになっていて、補助に「戻る」キーを使います。
「左」キーで戻れず、「戻る」キーを使わなければならないのはチョッと不便ですが、反応は快適で即座に反応するために、それほど気にはなりません。
噂ではこの辺は、上位機種では改良されているようでですが、定かではありません。
ipodは使ったことはないのですが、最新版のSonicStageは操作性がよく転送速度も早いために、CDを取り込むことが苦になりません。転送ソフトの質としては、最上級の部類に入ると思います。
音質は当たり前に良いです。
知らないで購入したのですが、セットにヘッドフォンが含まれていました。MDR−EX90SLと同質の音を出すものですが完全に同じではなく、低音のレベルが少し大きく、高音のレベルが若干劣ります。
付属のヘッドフォンやEX90SLを使用する分には、ヘッドフォンレベルでの低音のレベルが高いので、登録済みの設定で快適な再生が楽しめるはずです。
私はATH−CK9をつけて使用していますが、バスブースト=2、
0.4K=0、1.0K=−1、2.5K=1、6.3K=1、16K=1で透明度が高く、低音の音量も十分だと思っています。
音質設定でひとつだけ、ダイナミックノーマライザだけは注意が必要です。
私も通常ONにしていますが、ピアノ曲などの場合小さな音量の部分が多いと、勝手に音量を上げてしまうために、ノイズのブリージングが生じます。音量の上下差が多い曲を聴く場合は、OFFにしたほうがいいでしょう。
転送ソフトのSonicStageは、口コミでずいぶんとやかく言われています。
が、バージョンが上がっているせいもあって、エクスプローラを使えるレベルの人なら簡単に使いこなせるレベルのものになっています。
というか、他社のツールでずいぶんと悩まされた自分にとっては、非常に使いやすいと思いました。
すでに変換済みのファイルの転送ができるかについては、口コミなどではあまり伝えられていないようですが、これはできます。
一般に、CDの取り込みが主として伝えられているようですが、すでに変換済みのMP3ファイルなどを持っている場合には、CD取り込みを省略してファイル読み込みの形で取り込みを行うことができるようです。
4Gバイト版で充分といえるかといわれると、2Gはもとより4Gでも危ういといわざるを得ません。人にもよるでしょうが、余裕を見越した最低ラインはどうやら8Gということになるでしょう。
MP3−256Mでサンプリングした場合、1ファイルの容量は約8Mバイト。1アルバムは約100M程度なので、4Gの場合40枚分登録できます。
私の今の状況といえば、30枚360曲登録した状態で、現在残り1Gバイト。アルバム10枚1Gバイトだから順当なところだといえます。
とはいえ、今後のことを考えると不安になってくる残量ではあります。8Gバイトモデルがあるならば、普通の方は間違いなく8Gバイトを買うべきです(8Gバイトモデルは価格コムで見る限り、最低ラインが2万円くらいなので気軽に小遣いで購入できる限界を上回っているモデルではありますが... ちなみに現在のところNW−S6xx系にに8Gバイトモデルはありません。ノイズリダクションがついて8GバイトのモデルはNW−S7xx系と言うらしいです)。
音質についての総合評価になりますが、付属ヘッドフォンやEX90SLでの音質は、低音の量感は十二分にありますが、音の解像度よりも量感のほうを重視した音で、どんな低音が入っていてもボンボンという感じになります。高音の切れ込みはそれほどでもなく、音量も低く適度に響くという程度になっているようです。音に囲まれているような感じになります。
AHT−CK9に交換して聞くと音の印象はまったく変わり、低音の音量は若干低めですが固い音質で、高音は音量豊富で切れ込むようになります。定位もいいようです。
私はNW−S616F+AHT−CK9でいけると思いました。
ATH−CK9が14000円、ATH−CK10が24000円、NW−S616Fが14000円と考えると、4Gバイトモデルを聞くために28000円、8Gバイトモデルを聞くなら36000円の出費というところが相場になると思います。
ソニーには、この調子でガンバッてもらいたいと思わせるモデルでした。
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