映像作品の個人所有を禁止せよ。
最近のデジタル放送映像に対する放送局側のセキュリティだの主張を聞いていると、そういっているように聞こえる。では、個人的な作品はどうなるのか。
日本ではB−CASだのコピー10だのと、なにやらデジタルの世界はわけがわからないものになってしまっているが、どうやら世界では孤立しているらしい。
誰がこんな世界にしてしまったのだろうかと歯がゆい思いだが、こんなことをしていると日本だけデジタル化が進まずに本当に世界からおいていかれそうだ。
と思っていて、麻生首相の「アニメの殿堂」よりもいいアイディアを思いついた。
音楽がレコードから始まったからか、音楽にはCD何枚売って何ぼという風潮があるように思えるのだが、映像のその昔がVHSカセットから始まったせいか、数がさばけなくて当たり前とか、値段があってないに同然といった感がある(実際かなり高い)。
放送局は自身の保全のみに夢中で、数を売って利益を上げようとする姿勢がかけらもない。
その最近の姿勢が「映像作品の個人所有を禁止せよ」というように私には聞こえる。
結構個人的に膨大なライブラリを抱える私はもちろん反対なのだが、そうであってもいいと思わないでもない。
それには理由がある。
どこかの放送局でいったん放送した何らかの作品は、インターネットを使用して一般公開されるライブラリに「必ず登録」されるようにすることだ。
この「インターネット公開ライブラリ」は、一月1000円程度の料金を払えば誰でも自由に何度でもアクセスできて自分の好きな作品をいつでも見られるようにするシステムだ。
NHKのビデオオンデマンドのように、一部の作品を1週間程度延長して見られるようにするだけで1000円も取られるとはわけが違う。
一度登録されたものは放送倫理上問題がない限り基本的に削除されることはなく、いつまでも自分の好きなときに見られる。1作品の視聴ごとにとんでもない金額を取られることもない。アニマックスなどで、30分単位に課金していたら誰も見るものなどいなくなってしまうであろう。
つまり、放送作品が見られなくなることを懸念して、わざわざ個人で録画する必要がなくなるのだ。ただし、条件として低料金でいつでも自由に見られるということが大前提だ。
「インターネット公開ライブラリ」は、ニコ動とかYouTubeのように劣化した画質のものとか、作品の一部だけ公開されるとか言うものではない。初回放送されたときと同じクォリティで、好きなときに視聴できる。
放送局単位でなく、どの放送局であっても同じように「インターネット公開ライブラリ」に登録されるようにするためには、「インターネット公開ライブラリ」を巨大なデータベースとして設立する必要がある。
気にしなければならないのは、ユーザー識別のためのセキュリティとインターネット放送のために放送帯域を極太にしなければならないことだ。
基幹だけでなく家庭端末までをいまの1000倍くらいに広げる必要があるような気がする(詳しいその辺のところはようわからん。だが、自分の家ではいまだに1Mbpsだ)。
「アクトビラ」に「インターネット公開ライブラリ」と同じ機能を期待したいが、どうも巨大な顧客を囲い込んでお金を集めるというものとはお金の集め方の趣旨が違うようだし、どんなものかなあ。
「アニメの殿堂」つくるより、インフラ整備して「アクトビラ」を政府機関が買収して基礎固めたほうが何倍も効果があるような気がするのは私だけかな。
もっとも「アニメの殿堂」作るよりも何倍も資金が必要だが。
今回のお話は、先月ブルーレイは大規模HDDに録画するようにならないかなあと思案していたが、そんなわずらわしいことよりも、そんなに映像作品個人に渡したくないならDVDとか売ってないで、自分ところでずっと公開すことにすればいいじゃん。そうすればいつでも見られるし、第一自分で録画する必要がなくなる。いいことずくめなんだがなあ、と思った次第で考え出しました。
ちなみにこの考え、映像だけでなく音楽でも同様に展開できる。
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