PC接続のアンプを変えた。
長年のお気に入りだったサンヨーのラジカセをやめて、数年前に購入したコンポに変更してみたのである。
結果は上々で、思い切って変えてみただけのことはあった。
高温は細部まで出るし、低音もドンと響く。
まあ、2万8千円の安物であるから、あまり多くを期待してもムリというものだ。
なにせ、バス・トレブルの音量設定さえできない機種なのだ。
音質設定は、サラウンド設定の3種類から選択できるだけで、いつも「Pop」ポジションにしたままでいじったことがない。
これでATRACアドバンスロスレス352Kbpsのomaファイルを再生すると、結構いいじゃないか。最高までとまではいわないが、それなりに鳴る。キンキンともいわないし、コモった音にもならない。
さて、これからが本題だ。
長らくATRACアドバンスロスレス352Kbpsに慣らされてしまった自分だが、さて音程を変えながら再生できるプレイヤーがない。
ソニーのウォークマンセット付属のプレイヤーは、音程を変えられないのだ。
調べてみると、mp3がロスレスに拡張されたフォーマットが公開されているという。
mp3HDフォーマットというものらしい。
いつ発表されたフォーマットか知らないが、今頃になって試してみっかという気になった。
そう、今回のテーマ「mp3HDは使えるか」はおまけ試したものだったのだ。
いまさら、全ライブラリをmp3HDに置き換えるつもりもないが、ものは試しにWinAmpと一緒に使ってみることにした。
エンコーダーソフトは、エンコーディング部分に全神経を使ってしまったものらしく、インターフェースはドラッグアンドドロップでできるものの、それ以外のUI部分は子供が遊びで作ったのではないかと思われるほどひどい。
しかし外見とは異なり、すんなりとエンコードは終了した。
問題は本当にWinAmpで再生できるのかということだ。
この手のものは、結構手八丁口八丁でごたくは立派だがインストールしてみると動かなかったりするものが多い。
して結果は? 再生できた。XPがハングアップすることもなく普通に再生できた。
して音は? まあ合格点をつけられる。
WinAmpで音質を変えられることを考慮すれば、まあ使えるレベルだ。
何故そんなことをいうかというと、ソニーのATRACアドバンスロスレス352Kbpsにもいえることだが、どのようなエンコーダーを使おうとも、WAVからロスレスに変換する際に、必ず少なからず音質が変わる。
この音質の変化は大抵の場合、音の粒立ち、立ち上がり、アタック音時に顕著に現れる。
音像がしっかり再生しくなるとでもいうのだろうか。オリジナルよりもいくぶん濁った音になるのである。
原音に比較してオリジナルよりもアタック音がよくなるエンコーダーにはいまだに出会ったことがない。
mp3HDの音質は、最高レベルのビットレートを使用してもそのアタック音の減少加減が、その他のフォーマットよりも大きく減少する傾向があるように思われるのである。
この点でまあ使えるという点になったわけである。
確かにこれまでのmp3フォーマットに比べればとんでもなく音がいい。
だが、求められているのはmp3よりもいかに高性能になったかではなくて、圧縮率を高めたままで、いかに原音に近づけるかではないのか。
mp3HDの圧縮率がその他のフォーマットと比べて高いのは、その分音のほうを犠牲にしているせいであろう。
だけど、それって可逆圧縮って言う?普通。
結論としては、全ライブラリをいまらさらmp3HDにするわけにもいかず、コンポを新調する金もない私は、しばらくのあいだは完全に納得がいかないままmp3HDと付き合っていきそうである。
はてさてmp3HDは普及するであろうか。
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