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LEDの電流制限抵抗について

LED(発光ダイオード)は小型かつ低消費電力、また様々な色があり扱いやすいものとして、鉄道模型にも普及しています。

LED点灯回路
↑LEDを点灯する回路。抵抗とLEDは、上下入れ替わってもかまわない。

電流制限抵抗(R)は、「R[kohm]=(E[V]−VF[V])÷I[mA]」で計算することができます。計算した抵抗値から、手持ちの抵抗でいちばん近いものを使用すると良いでしょう。

なお、人間や機械と同じように、LEDも定格いっぱいで使えば壊れやすく、寿命が短くなります。LEDは定格の半分程度でも十分に光りますので、少し抑えめに使うように心がけましょう。

なお、もう少し詳しく書いたコラムを用意しました。是非ごらんください。

コラム「LEDの使い方」

電解コンデンサの耐圧について

製作記事におきまして、電解コンデンサの耐圧を25Vと表示しておりますが、50V耐圧など、25V以上であれば問題なく動作します。16V耐圧でも動作しますが、鉄道模型のシステムにはポイント用に17Vの電源があり、万一それを接続しますと電解コンデンサが破裂するおそれがありますので、できましたら25V以上の耐圧のものをご利用ください。

ロジックICやマイコンの「H」「L」について

ロジックICやマイコンは、出力に「H」「L」という英文字を当てるのが一般的です。これを少しわかりやすく説明すると、

「H」=オン ロジックICやマイコンの中で、VDD(+、VCC)につなぐ
「L」=オフ ロジックICやマイコンの中で、VSS(−、GND)につなぐ

という意味になります。

ちなみに「Z」「∞(無限大)」というのもありますが、これらはロジックICやマイコンの中ではどこにもつながないという意味になります(難しい言い方をすると「ハイ・インピーダンス」といいます)。

パワー・パックの回路について

電流制限などの電源回路の場合、本来であれば回路のプラス側にパワーMOS-FETを入れるのが一般的です(※1)。逆に、スイッチング回路の場合は本書にあるような回路が一般的になります(※2)。

(※1)一般的なパワー・パック(電源回路)の概念図。
(※1)一般的なパワー・パック(電源回路)の概念図。

(※2)本書のパワー・パックの概念図。
↑(※2)本書のパワー・パックの概念図。

2-3、2-4章で取り上げたシリーズ・レギュレータ式のパワー・パックですが、

1:2-5章のスイッチング・レギュレータ式パワー・パックと回路を同一にするため
2:ゲートに静電気をかけると壊れると書きましたが、一般的な回路ですと点検時などに蓋を開けた時、ゲートがソース電位より浮いている状態になり、触ると壊れる可能性がある

という2つの理由で、一般的ではないマイナス側制御の回路を採用しました。しかし、モータ制御用の抵抗は、モータに直列に入っていれば制御できるため、このような回路でも問題はないと考えています。

信号機について

エレキジャックNo.6に掲載していただいた際に、信号機の時定数(赤→黄→青になる時間)の質問が寄せられていました。こちらですが、C1とR3で時間を設定しています。掲載の回路よりもう少し短い時間がよろしければC1またはR3を小さく、逆にもう少し長い時間がよろしければC1を大きくします。また、R3は半固定抵抗などの可変抵抗(ボリューム)でもOKですが、2.2kohmより小さい抵抗にしますとICが壊れてしまいますので、ボリュームと直列に2.2kohmなどを入れていただくようお願いします。

信号機回路図(部分)
↑信号機の、タイマ部分の回路図。

踏切の音質について

踏切の音は、鉄道会社によってまちまちの音を採用しています。もちろん、回路構成時点で可変域を大きく取ればカバーできるのですが、そうしますと調整がシビアになりますので、私は東京急行電鉄などで採用している、爽やかに鳴るタイプの踏切警報音を真似ることにしました。

[警報音サンプル](WAVE形式 8,000kHz 16bit MONO)

踏切の音質は、VR2とR5とC6、VR3とR7とC9で設定しています。通常ですとVR2とVR3を回せば音は変わるのですが、もう少し動かしたい場合はR5やR7を取り替えてみてください。抵抗を大きくすれば音は低くなり、逆に小さくすれば音は高くなります。また、単音にしたい場合はC11を取り外します。
踏切警報機回路図(部分)
↑踏切警報機(サウンド部分)の回路図。

なお、回路図中のC14は、手持ちの都合で積層セラミックコンデンサを使用しましたが、ここは電解コンデンサでも問題なく動作します。向きは、IC2(U2/4584)のある方がプラス、その反対側がマイナスになります。

踏切の信号機(警報機)をLED化する場合について

(この記事は、「お詫びと訂正」のものと重複します)

踏切の信号機には、非安定マルチバイブレータという回路を使用しています。この回路は様々な作例で頻繁に紹介されるため、とりかかりやすいのが特徴ですが、その一方で、部品の相性や定数(たとえばコンデンサや抵抗の大きさ)、負荷(たとえば電球よりもはるかに負荷の軽いLEDに置き換えた場合)などによって、動作がおかしくなる場面があります。

実際、今回の踏切信号機(警報機)の電球をLEDに取り替えますと、動く場合と動かない場合があります(私の手元では12Vでは動きましたが、読者の方より誤動作の情報を頂き、電圧を落として再度実験したところ、読者の方と違う現象ですが誤動作しました)。もしも動かないような場合や、はじめからLEDの踏切信号機にされる場合は、Tr2とTr4(図中、Q2とQ4)を省略した回路図を掲載しますので、お試しいただければ幸いです。

踏切警報機回路図(部分)

なお、点滅の具合が気に入らない場合は、警報音で使用している4584を使用した回路を紹介しますので、お試しください。

踏切警報灯回路図(4584)
↑4584を使用したLED踏切警報灯回路の例。安定して動作します。

Writer509ついて

書籍に掲載しているWriter509とFirm Writerは、オレンジ電子さんの著作物となります。書籍内に回路図等を掲載していないのはこのためです。恐れ入りますが、興味のある方はオレンジ電子さんのサイトをご覧ください。なお、PIC16F690に書き込めるWriter509のPC側ソフトウェアは、オレンジ電子さんのサイトではなく、エレキジャックNo.2でPICデュアルライタ(Writer509の亜種)の記事を執筆されたTADさんが運営する「でんし研」のサイトにあります。

ただし、確実に書き込みたいという方、製作にあまり自信がないという方は、先に紹介したPICデュアルライタ(エレキジャックNo.2掲載/プリント基板付属)をお試しいただくか、PICkit3などの純正プログラマ、またはパーツ・ショップ等で販売されているプログラマ・キット(秋月電子通商「AKI-PICプログラマVer.4」等/書き込み方は異なります)をお求めいただいた方が確実です。

→オレンジ電子の電子工作!
→でんし研

Writer509の電源について

PICライタの電源は通常、5Vと13Vが必要ですが、ベースラインデバイスを除き、5Vと12Vでも十分に書き込めるようです。そこで、12Vのスイッチング式ACアダプタ(電圧が安定化されているので扱いやすいのが特徴です)を使用したPICライタ用の電源回路を紹介します。


このように、5Vは3端子レギュレータで作り、12VはACアダプタから直結とすることができ、回路が簡単になります。Writer509はファームウェアさえ用意できれば安価に製作できますので、このような電源違いの回路を試してみるのも面白いと思います。

PICkit2について

電子部品の通販サイトなどをご覧頂くとわかるとおり、マイクロチップ・テクノロジー社より、PICkit3という新しいイン・サーキット・プログラマが発売されています。書き込みは同じようにできるとのことですが、PICkit3 Starter Kitについている基板はDIPタイプのPICが載っていませんので、これらの基板を使用しての、書籍の内容のような書き込み方はできません。同様に、PICkit2 も、Starter Kit以外の基板つきパッケージでは、やはり書籍の内容のような書き込み方はできませんのでご注意ください。

もしもPICkit2 Starter Kitが入手できない場合は、PICkit2本体またはPICkit3本体のいずれかと、共立電子産業の「ケイシーズ」「共立エレショップ」で販売している「PICkit2用書込アダプタ / PK2ADP」を組み合わせることで、同じように書き込みをすることができます。なお、この書き込みアダプタにはゼロ・プレッシャー・ソケットが採用されているので、PICの取り付け・取り外しが簡単で便利です。

→共立エレショップ

MPLAB IDEについて

MPLAB IDEはバージョンアップが頻繁に行われるソフトで、新しいバージョンでは、本書で紹介した方法ではインストールできないことや、使い勝手が異なる場合があります。特にMPLAB X IDEでは大きな相違点があり、書籍とは違う画面が出るほか、記事そのままのソース・コードではコンパイルできないことも判明しています。

まず、MPLAB X IDEのインストールを予定されている方は、MPLAB X IDEのほかにMPLAB XC8コンパイラのインストールも併せてお願いします(MPLAB X IDEのパッケージにはコンパイラが含まれていません)。そして、「#include」文にある「pic.h」を「htc.h」に変えてコンパイルをお試しください。 なお、現行版ではなく、旧版(書籍のバージョン等)もマイクロチップのサイトからダウンロードできます。

→MPLAB X IDEダウンロードサイト(マイクロチップ・テクノロジ)
↑最新版はページ下方の「Download」タブの中に、旧版は「Download Archive」の中にあります。

→MPLAB XCコンパイラダウンロードサイト(マイクロチップ・テクノロジ)
↑最新版はページ下方の「Download」タブの中にあります。

この項の参考文献:電子工作のためのPIC16F1ファミリ活用ガイドブック(後閑哲也著・技術評論社)

MPLAB IDEの使い方にあるプログラムについて

本来、MPLAB IDEとHI-TECH Cの紹介に使う予定だった「特殊信号発光機(発煙筒型)」が紙面の都合もあって没にしたため、使い方のところにこれの残骸が残ってしまいました。書籍としてはエラーにはなりませんが、気になる方のために回路図とプログラムを「ダウンロード」のページに公開しています。

HI-TECH CとPIC12F629/675について

(この記事は、「お詫びと訂正」のものと重複します)

書籍では、PIC12F629やPIC12F675を使用する際には「OSCCAL=_READ_OSCCAL_DATA();」を記述して、内部クロックの補正データを読み出すように書きましたが、現在のHI-TECH Cではこの記述は必要ないとのことです。なお、記述したままでもWarning(警告)は出ますが、正常にコンパイルできます。

PIC制御パワー・パックの動作と配線について

まず、PICを使用した作例は、少し電子工作のスキルがある方を対象に執筆したため、ディスクリート半導体やロジックICを使用した作例のような実体図を省略しているところがあります。このパワー・パックも例外ではなく、特にシャーシ取り付けパーツの実体図を省略して掲載しています。

ポートとパワー・パックの動作

まず、ポート2本を駆使して4ポジション動作としています。本来ならポート数の多いPIC16F819やPIC16F690などを使用するとわかりやすいのですが、パーツが高くなってしまうのと、こういう工夫を紹介しようと思い、あえてこのようにしています。

この4ポジションは、「L=0V」(電源のマイナスに繋ぐ)/「H=5V」(抵抗でプルアップしている)の組み合わせを、スイッチ2つで実現しています。回路図と上の表を照らし合わせると、わかりやすいと思います。

PIC制御パワー・パック配線図
図 PIC制御パワー・パック配線図(図をクリックすると大きくなります)

パワー・パックの配線は、上図のようになります。少々トリッキなのは逆転スイッチで、ここにダイオードを共付けします。

自動閉塞信号機について

4-2-2項 自動閉塞信号機のソース・コードを公開して欲しいというリクエストを多く頂きました。鉄道模型の場合、信号機で自動閉塞を組むにしてもレイアウトの大きさに制約があり、最低でも6台程度の自動閉塞信号機を取り付けるのは困難に思いましたが、思いの外大きいレイアウトをお持ちの方がいらしたということで、著者としてびっくりしております。そこで、急ごしらえではありますが、フロー・チャートを交えて説明をしつつ、暫定ではありますがソース・コードを公開することにしました。なお、駅の場内信号機・出発信号機については、これこそワン・オフでないと無理だと思いますので、皆様の手で設計・製作してみてください。

自動閉塞信号機フロー・チャート
↑自動閉塞信号機のフロー・チャート。

まず、フロー・チャート内の「入力」はGP4(AN3)を指し、「センサ」はGP3(MCLR)を指します。なお当初は、GP3をMCLRとして設計する予定でしたが、プログラムを短く書くために、急遽GP3ポートとして設計してあります。使用上の差異はありません。
この自動閉塞信号機は鉄道模型用を想定しています。したがって、初期設定は「青信号」ないし「黄信号」です。ちなみに実物の鉄道信号機は、故障した時などを想定して、初期設定が「赤信号」になっているはずです。これを厳密にやろうとすれば、プログラムの他にPIC周りの再設計も必要になるでしょう。
フロー・チャートを見るとわかるように、プログラムは自分自身の信号が赤の場合と、それ以外の場合で動作を変えるようにしてあります。これは、信号機の連動する関係を紙などに書き出すとわかると思います。

ソース・コードは「ダウンロード」のページにあります。 

→ダウンロード・ページ

読み物

コラム「趣味は生涯現役の秘訣!?」

コラム「参考文献あっての書籍」

コラム「LEDの使い方」

ここには、書籍内に掲載できなかったコラムを掲載しています。

免責につきまして

記事の内容には万全を期しておりますが、万一トラブルがありましても筆者及び出版社は責任を負いかねます。各自の判断でご使用ください。

<2009.-8.29 公開、2017.-4.15 更新>