オプションスイッチ
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t2eps はオプション無しで, 殆どの場合に問題無く動作するように作成し
ていますが, オプションスイッチ
を指定する事によって, 出力する EPSF の体裁等を制御できるようになっていま
す。
オプションスイッチは入力ファイル名の指定を除いて, 全て ``-'' に続く一
文字で指定します。また, オプションによっては引き数を必用とするものもあり
ますが, その場合にはオプションスイッチに続けて引き数を指定します。この時
にオプションスイッチと引き数の間に空白を含めないで下さい。例えば,
``-t
'' というオプションスイッチに ``8'' という引き数を指定する場
合には ``-t 8
'' と指定するのではなくて, ``-t8
'' と続けて
記述して下さい。
以下にオプションスイッチの一覧を示します。
- -oOutPutFileName
- テキストファイルから変換された EPS
形式のファイルを OutPutFileName で指定されたファイルに
出力します。このオプションを指定しなかった場合は「標準出力」
に出力します。
-otest.eps
と指定した場合には, ``test.eps'' というファイルに変換し
た結果を出力します。
- -f{R|G}:{R|G}
- POSTSCRIPT で使用するノーマル
フォントとボールドフォントを指定します。実際に指定出来るフォ
ント名は ``R'' と``G'' だけで, ``R'' は
``Ryumin-Light'' を, ``G'' は ``GothicBBB-Medium'' を意
味します。これらのフォント名を ``:'' で区切って指定します。最
初のパラメータがノーマルフォント名で ``:'' で区切られた 2 番
目のフォント名がボールドフォント名になります。例えば,
-fR:G
と指定した場合は, ノーマルフォントに ``Ryumin-Light'' を使用
し, ボールドフォントに ``GothicBBB-Medium'' を使用します。こ
のオプションが指定されなかった場合にはノーマルフォントに
``Ryumin-Light'' を, ボールドフォントに``GothicBBB-Medium''
が選択されます。実際には指定されたフォントに``-H'' と
``.Hankaku
'' を付加して, それぞれ全角フォント, 半角フォ
ントとして使用します。例えば, ``R'' が指定された場合には
``Ryumin-Light-H'' が全角フォントに, ``Ryumin-Light.Hankaku''
が半角フォントに使用されます。実際にボールドフォントが使用さ
れる契機は ESC シーケンスでハイライト(ESC [1m) が指定された場
合だけです。図, に変換
前のテキストファイルと, 変換後のイメージを示します。
Figure: ハイライトの ESC シーケンスを処理した例
Figure: ハイライト指定を含んだテキストファイル
- -swidthxheight
- POSTSCRIPT全角フォントの
サイズを width × height に設定します。単位
は bp(ビッグポイント)です。このオプションを指定しなかっ
た場合のデフォルトの幅, 高さ共に 10bp に設定されています。半
角フォントの幅は設定した幅の半分に設定されます。EPSF は拡大縮
小, アスペクトル比等は柔軟かつ自由に設定できますので, このオ
プションを必用とする機会は殆ど無いと思いますが念の為, 用意し
ました。図及び図にそれぞれ
10bp, 20bp を指定した場合の例を示します。また, 図
に 10 × 30 bp のちょっと変形したフォ
ントの例を示します。
Figure: -s10x30
Figure: -s20x20
Figure: -s10x10
- -tTabStop
- TAB Stop を TabStop に設定します。こ
のオプションを指定しなかった場合のデフォルト値は 8 に設定され
ています。
- -r
- 色を反転して出力します。このオプションは最も多く使用す
るオプションになると思われます。なぜならば, t2eps はデフォル
トでは黒のスクリーンに白で文字を書くからです。これは VT-100 の
デフォルトに仕様をあわせた為です。このドキュメント中に現れる
殆んどの図はこのオプションを使用して作成されています。
- -c{c|g|m}
- カラー属性を指定します。t2eps は RGB カラー
をサポートしていますが, 必ずしも常にカラーの図が欲しいわけで
はないと思います。殆どの場合はモ
ノクロもしくはグレイスケールの図で十分だと思います。そのため,
このオプションを用意しました。 ``-c'' に続けて ``c'' を
指定すれば RGB カラーに ``g'' でグレイスケールに ``m'' でモノ
クロになります。但し私はカラープリンタを所有していませんので
カラーの確認は dvi2ps + ghostscript でのみ確認致しました。
また, カラーをサポートしていないプリンタでカラーを出力すると
グレイスケールに変換されるみたいです。図にカラー
の例を, 図にカラーの反転無しの図を, 図
, にそれぞれグレイスケールとモノ
クロの例を示します。
Figure: -cc カラー
Figure: -cc カラー(反転無し)
Figure: -cg グレイスケール
Figure: -cm モノクロ
- -C
- カーソルを表示します。t2eps はデフォルトではカーソルの
イメージを表示しないように変換しますが, このオプションを指定
した場合にはカーソルイメージを付加して変換します。図にカーソルイメージ無しの例を,
図にカーソルイメージ有りの例(``出力ストリーム''
の ``出'' という文字の部分にカーソルがあります)を示します。因
みにこれらの図の元は UNIX (FreeBSD) 上で tee コマンドを使用し
て作成しました。これらの図はご存知の通り, Mule の画面イメージ
ですが, t2eps は EUC 又は Shift-JIS しかサポートしていません
ので Mule の ``Display-coding-system'' を ``*euc-japan*unix''
等に設定しておく必要があります。
Figure: カーソルイメージ無し
Figure: カーソルイメージ有り
- -a
- このオプションは若干特殊なオプションです。このオプショ
ンはエスケープシーケンスのカラー属性の制御に影響を与えます。VT-100 のエスケープシーケンスは
``ESC[0m'' 等でデフォルト属性を明示しない限りは属性は累計され
ますが, t2eps では新たな属性が指定された場合には, 古い属性を
デフォルトに戻してから新たな属性を設定しています。これは PC98
の仕様に合わせた為です。通常, VT-100 のエスケープシーケンスを
考慮してして作成されたアプリケーションの多くは属性の累計を意
図していない事が多いようです。ですから t2eps は殆んどの場合は
意図したように変換してくれます。この事は, 属性の累計を意図し
ているアプリケーションが出力したテキストは t2eps では意図した
ように変換してくれない事を意味します。そのような場合にはこの
オプションを指定する事によって, 正しく変換する事が出来ます。
図 のテキストは意図的に属性を累計するよう
にした例です。t2eps でそのまま変換すると図
のように, 新しい属性が指定されると古い属性を引き継がれません。
``-a'' オプションを指定して変換した例が図
です。属性が引き継がれている事を確認して下
さい。
Figure: 属性の累計を考慮したテキスト
Figure: -a オプション有り
Figure: -a オプション無
- -bBaseLineSkip
- ベースラインスキップの値を BaseLineSkip に設定します。 の \ baselineskip とほぼ
同じ意味です。このオプションでベースラインスキップを指定しな
かった場合は,ベースラインスキップをフォントの高さと等しく設定
します。図 はベースラインスキップにフォント
の高さの 1/2 を加算して設定した例です。他の図と比較し
て行間が広くなっている事を確認して下さい。また, 図
はベースラインスキップにフォントの高さの
-1/2 を設定した場合の例です。この図のように行を重ね
る事も可能です。
Figure: ベースラインスキップが 4bp
Figure: ベースラインスキップが 12bp
- -wColumn
- このオプションは使用する機会が殆んど無いと
思います。t2eps で変換する時に一行の文字数を Column に
設定します。このオプションを指定しなかった場合は 80 文字に設
定されています。尚, ここで言う一行の文字数とは変換される元の
テキストの文字数ではなく, 変換後の一行の文字数の事です。
- -lLines
- このオプションは ``-w'' と似ています。
一行の文字数ではなくて, 最大行数を指定します。最大行数を越え
た部分はスクロールします。このオプションを指定しなかった場合
のデフォルト値は 25 に設定されています。このオプションは, い
わゆるベタ書きのファイルを変換する時にも使用します。25 行以上
あるファイルでしかも, エスケープシーケンスを使用していないファ
イルを変換したい時等は ``-Fc'' オプションと共に使用する
と, 大体思い通りのイメージに変換出来ると思います。図
がベタファイルの変換例です。
Figure: ベタファイルの例
- -F[c]
- t2eps はデフォルトでは 80×25 文字の画面を仮
想画面として処理します。スクロール等の処理を行う為にはどうし
ても, 画面の行数と桁数を考慮する必要があります。しかし, この
方法ですと, 仮に一文字しか表示されていない場合にも 80×25 文字分の領域が取られてしまい, 体裁が悪くなる場合がありま
す。このオプションは連続する最後の空白行を削除するオプション
です。また ``-Fc'' のように, ``c''も同時に指定す
ると, 連続する最後の空白カラムも削除します。ちなみに,このドキュ
メントで使用している図の殆んどはこのオプションを共に指定して
作成されています。
図, ,
にそれぞれのモードで変換した例を示します。
Figure: -F オプション無し
Figure: -F オプション
Figure: -Fc オプション
- -K{EUC|SJIS}
- 入力ファイルの漢字コードを指定しま
す。 ``t2eps'' は漢字コードを自動認識出来ません。従ってデフォ
ルト意外の漢字コードが含まれたテキストを処理する場合にはこの
オプションが必要になります。例えば, ``
-KEUC
'' と指定し
た場合には入力ファイルの漢字コードを EUC として処理します。ま
た, ``-KSJIS
'' と指定した場合には入力ファイルの漢字コー
ドを SHIFT-JIS として処理します。デフォルトはコンパイル環境に
よって異なりますが, MS-DOS で使用している場合は SHIFT-JIS,
UNIX で使用している場合は EUC である事が多いと思います。
- InputFileName
- 入力ファイル名を InputFileNameに設
定します。入力ファイル名を指定しなかった場合は「標準入力」か
ら読み込みます。尚, このオプションは必ず一番最後に指定して下
さい。これ以降にオプションスイッチが存在していても全て無視さ
れます。
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Mon Jan 27 20:43:04 1997