マルチメディア系のボードを購入して一発で使い物になるものに出会った試しがない。
現在、たいがいのPCには、オンボードでサウンドプロセッサが搭載されている。
にもかかわらず、なぜ新たにサウンドボードなんぞを買おうと思ったのか。
それは、オンボードのサウンドのノイズに辟易していたからなのである。
FM録音をし始めてすぐに、オンボードのそれではノイズが載りまくって、使い物にならないことに気がついた。
検討をした結果、小遣いと製品性能を考えると、5千円という価格帯がはじき出された。
それ以下では使い物にならない可能性が高かったし、それ以上は予算が許さなかった。
そして店頭で実際に購入したものは、C−Media製のものだった。実売4780円。たしか、なんとかProという名前だったと思う。
そのいかにもなネーミイングの割に、予算に見合う5千弱という値段が気に入って購入したのだが、私のわずかな期待裏切って、いつもの安かろう悪かろうの危惧は直球で大当たりした。
PCに装着して5分で、使い物にならないことが判明したのである。これもノイズが多すぎる。
オーディオの世界では、SN比96dbとか108dbとかいった性能が表記されることが多いが、このサウンドボードもそれくらいの性能表記だった。
そのメーカーが、この性能表記にどれくらい留意しているか知るべきもなかったが、ヘッドフォンでサウンドファイルを再生すると、曲の無音部分に「ザー」というとてつもないノイズが載るのだ。そのあまりの大きさが信じられなくて、CD再生でも聴いてみたが、驚いたことにCD再生でもノイズの大きさは全く変わらなかった。
「またハズレくじを引いた」とは思ったが、5千円がもったいなくて、そのままそれを使っていたのである。だがしばらくすると、決定的な事態が起こって、全く使い物にならなくなった。
FM録音するものの音量が、突然とんでもなく小さくなったのである。
しばらく、ああでもないこうでもないと試した後、原因は判明した。
もともとあまりライン入力感度が高くない製品であったのだが、いつのまにか、ライン入力感度のレベルを強制的に上げる機能が、使えなくなっていたのである。
指定するオプションボタンが、どうあがいてもONにできない。だが、ボリューム全てをMAXにしても、モソモソとしか聞こえないという事態に陥った。
私はコイツを諦めることにした。この製品の寿命は、わずか半年足らずであった。
C−Mediaのが使い物にならなくなった時点で、問題点はどうやってFM録音するかに移っていた。どうやってFMチューナーを録音するかではなくなっていたのである。
本末転倒な事態になっていたが、仕方のないことだった。
前回は予算重視だったが、今回は性能を重視することにした。予算を全く無視して、一番性能の高いものを手に入れることにしたのだ。
その結果、それは当時18000円もするオンキョ−のSE−120PCIであった。
SN比が108db。これ以上ノイズのないものは、当時は望めなかった。
その結果は... 十二分以上に満足できるのであった。
今度の製品は、ノイズが全く聴き取れなかった。音質も低音が締まっていて、実に心地よい。
しばらくは、その性能に満足していたが、それもそう長くは続かなかった。
それはカタログでも予想できたことであったが、ヘッドフォン端子が付いていなかったのだ。
プリアンプをつけたくとも、ラインアウト端子が1系統しかないので、それもできなかった。
そして考えついたことは、このボードをサウンド録音専用にして、再生用にはUSBサウンドプロセッサをつけることだった。
何か考えるたびに、出費が増えていくことには大いに疑問を感じたが、当時は他に選択肢がなかったので、迷わずに15800円を出費して型落ちのYAMAHA DP−U50を購入した。
当初この投資は、ある程度順調であった。だが、ここでも案の定すぐにつまづいた。
処理が重くなると、音がブツブツと途切れるのである。チョット重いサイトを閲覧しただけでそういう状態になる。
結局、最新のデバイスドライバを入れることで解決したが、当時は「またやってしまったか?」という、大変なショックを受けたのを、今でも覚えている。
こいつは結構長い間働いてくれた。3年くらいは使えたであろうか。つい最近お払い箱になったが、その理由はやはりヘッドフォンだった。
ヘッドフォンが使える機種だったが、なんと端子につないでも、ラインアウトが切れないのである。コイツはこたえた。何のためにヘッドフォンをつなげているか、意味がないではないか。
代わりになるものが見つからなかったので、3年間もゴマカシながら使っていたのである。
つまり、つい最近代替え足る製品が出たのだ。
クリエイティブのDigital Music PXというヤツである。実売6780円。
これがYAMAHAの代替え足るか調べるために、予備調査に3ヶ月を要した。
それが実って、ヘッドフォンをつなげるとチャンとラインが切れる(まあ普通切れて当然)。
しかも、ヘッドフォンはライン系とは別に、専用ボリュームで音量調整できて非常に便利だ。
だがここでも、トラブルとは縁が切れなかった。
今度のヤツは、ブチブチとかは切れないのだ。そのかわり、処理が重くなると録音が突然切れて、ノイズだけになる。最新デバドラでも、録音音量が通常の半分になる。なんだかなあ。まあ、再生専用にすれば、問題ないか。
だが、サイズは今まで一番小さいし、機能はピカイチだし、ノイズもなくて音もいい。いま一番のお勧めだ。みなさんも、サウンドプロセッサを購入する際は、シツコイくらいに性能確認をするべきである。
とにもかくにもこうして、「実売6千円台以下のサウンドプロセッサは購入してはならない」という、新しいジンクスを私は手に入れることができたのである(合掌)。
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