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揚げ物が無性に食べたくなるときがある。
ポテトチップスを食べたくなるのと同様である。
一般に揚げ物の最高峰というと、クリーミーなカニクリームコロッケとかいうことになるようだが、私はこの"クリーミー"なものがダメだ。
口の中でしつこくて、ホワイトースの香りが鼻につくので、たいてい一口でイヤになる。
では、私がイメージする揚げ物とはどんなものかというと、
・焼きそばパン ・ハムカツパン ・カレーコロッケ ・メンチカツ ・鳥カラ ・春巻
・ギョーザ ・フライドポテト
といったものである。
列挙していて、"あんまりいいもの食ってねえなぁ"と思うが、実際食ってねえのである。
それよりも、揚げ物と＝ソバとはどういうつながりか、疑問に思う方がいるかもしれない。
連想的につながりがないわけではない。
揚げ物＝油もの＝焼きソバというようにしていけば、つながるのである。
私が真っ先に連想したのは、この"焼きソバパン"と"ハムカツパン"だったのである。
コンビニに入って、何か脂っこいものを食べたいと思ったときに考えられる候補は、"ソーセージパン"か"カレーパン"などの菓子パン系なのであるが、最近はこれを置いていない店が少なからずあるし、なによりもパン生地がパサパサしていることが多い。
揚げ物系でなおかつしっとり系を狙うなら、この二つということになる。
だが"焼きソバパン"も、パサパサモソモソしていることが多いことを考えると、残った選択肢は必然的に"ハムカツパン"ということになる。
なによりも、あの低コストばかりを目指すコンビニにあって、ハムカツパンだけは本物のハムを使っているし、量も多い。ハムカツサンド２切れが食べきれないこともある。
分析的に考えると、焼きソバパンとハムカツサンドを除けば、列挙したものは全て、少なくとも外側はカラッとしているものばかりである。
そのなかに、ジューシーであればあるほどおいしいといわれているもの（私もそう思う）が、混じっている。
それは、鳥カラと春巻とギョーザである。
特に鳥カラは、足の部位で皮の部分がおいしい。
肉汁がボタボタたれるくらいのものが最高だ。
春巻とギョーザは、こちらもコロッケと同様、ねっとりクリーミーでない方が私は好みなのであるが、あなたはどういうのがお好みであろうか。
ところで、メンチカツである（カレーコロッケはどうした？ という声が聞こえてきそうである。近くの旨いスーパーのを昔はよく食べていたが、最近味が落ちてきてごぶさたになっているので、今回は取り上げない。失礼）。
その昔どこにでもあった、サクッとがっちりメンチが、最近なくなりかけているのだ。
サクッととはコロモのことで、がっちりとは噛みごたえがあるという意味だ。
その敵は、"空気いっぱい、ふんわりメンチ"である。
これが出回り始めた当初、私はこの存在を甘く見ていた。
そうであろう。一口食べれば、それはどう考えてもシロウトが作った、できそこないメンチである。
空気を抜き忘れているので、口当たりがモソモソして、口に運ぶ前から崩れたりする。
肉は粗挽きだし、タマネギも刻みがいいかげんで大きいし、形も揃っていない。
こんなものはすぐになくなると、たかをくくっていた。
だが、なんということであろうか。
特に女性陣に「こういうフワフワしたメンチが、今のオシャレなんだわ」という評判が高くて、すたるどころか、そういうもののほうが店先で多くなってきたのである。
確かにメンチというと、子供の大好きなハンバーグではないし、なんか安物の肉料理といった感じがする（と、私が思っているだけかもしれないが）。
はっきりいうと、ハレの料理ではない。
だが、いつもは忘れられている存在だが、私にはなくてはならない料理だった。
それが食べたくなっても、食べられない状況になりつつある。これは衝撃的だった。
つまり、何をいいたいのか？
最近のメンチはなっていない！ そういうことなのである。
ふんわりメンチなどというものは、メンチではない。
堅く締まったスパイシーなハンバーグ型メンチこそ、メンチなのである。
料理番組で、新参者の料理研究家が、「今日はふんわりメンチを作ってみましょう（そういうものが、最近の流行のようですから．．．）」とか言っているのを見ると、テレビから引きずり出して、市中引き回しの上、磔・獄門にしてやりたくなる。
お前のようなヤツが、メンチカツをダメにしたんだ。責任をとれ！ と、いいたい。ハアハア。（チョット興奮しすぎか？）
結論を申し上げる。
全国のメンチファンおよび精肉店のオーナーは、今こそ立ち上がるべきである。
チャラチャラしたどこぞの自称料理研究家の意見など、クソ喰らえである。
"空気がいっぱい入っている"必要はないし、"ふんわり柔らかい"必要もない。
昔ながらの、サクッとハードなメンチを食べよう（作ろう）ではないか。
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