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ヘッドフォン論2(中編)
いまもっているモバイルプレイヤーは、ADTECのMPIOだけである。
今から3年位前のモデルではあるが、2ヶ月ヨドバシカメラに通って選んだだけはあって、結構いい音がする。
まずまずの代物なのだが、一番の欠点は、ストリングスなどでダイナミックレンジいっぱいに瞬間的に発せられた音があると、ノイズになってしまうことがあることだ。
おそらくバグだと思われるが、今回はそのお気に入りのソースは、テストからはずした。

肝心のソースはどうなっておるのか。エントリと特徴は次のとおりだ。
1.All At Once(ホイットニー・ヒューストン)
   実は結構バックグランドノイズが大きい曲なのである。
   出だしの部分でこれが聞こえるかどうかが、ひとつのチェックポイントだ。
   そのほかの分では、デジタル系に聞こえるエレピの音やストリングスが破綻しないで
聞こえるかどうかというところだろう。
2.All I Want For Christmas Is You(マライヤ・キャリー)
   現代的なアタック音の激しい音である。
   マライヤのハスキーボイスが、ハスキーに聞こえるかどうかがポイントだ。
   出だしのドラムのアタック音が、ダダダに聞こえるかも聴き所である。
   ハーモニーが広がって聞こえるかどうかチェックしよう。
3.Let's Stay Togther(パット・ベネター)
   デジタル的な音がほとんどしない、純粋アナログハードロック系の音だ。
   音の決め手になっているのは、ドスの利いたベース、ドンではなくダンというバス
ドラ、ハンドクラップ、マラカス、うなるエレキ、パットのハスキーボイスだ。
4.Rhinestone Cowboy(グレン・キャンベル)
   これもアナログ的な音。スチールギターの切れ、きらびやかなストリングス、伸びや
かなグレンのボーカルが聴き所。これがこじんまりと聞こえるようではダメだ。
5.光と影を抱きしめたまま(田村直美)
   デジタルな音。ギターさえも、エッジが利いてデジタルだなあというように聞こえる。
   オープニングのハープシコードと田村のボーカルのエッジを楽しめるか。
   曲全体が、各楽器のエッジを楽しむようにできているかのようだ。
6.12月のエイプリルフール(エポ)
   アナログなクリスマスソング。
   クリスマスソングらしい、伸びやかなストリングス、ゆったりとしたエポのボーカル、
バックグラウンドに流れるピアノの音場感がどこまで再現できるかがポイント。
   ドラムのアタック音は結構きつめに設定されている。
7.アメリカン・フィーリング(サーカス)
   昔のアナログサウンドなのだが、アナログサウンドとしては結構きつめのエッジを
している。一部、デジタル系の音が入っているようだ。
   ミュートトランペット(これもシンセサイザか)がしかっりミュートされて聞こえるか、
   サビを盛りあえげるストリングスが広がるかがポイントだ。
   それらがちゃんと分離して定位すれば問題なし。
8.Still(飯島真理)
   完全デジタルサウンド。
   のっけからバリバリのデジタル系のサウンドが展開される。
   エッジを完全に再現できているか、アタックの厳しいドラムがダンと聞こえるか。
そのなかで、飯島のボイスが響くがポイントになる。
   クラッシュシンバルの音も結構響くはず。

最後にフォーマットである。
通常、私はPCにCDをサンプリングする際には、MP3の256Kを使用しているが、それでもワウが気になる。デジタルでワウフラッターというものがあるのかどうか分からないが、MP3などに変換すると、最高域付近にウーリウリというへんなサイクルを持ったリバーブのような音が聞こえる。
専門的なことはよく分からないが、私はこれを勝手にワウと呼んでいる。
高級ヘッドフォンではなく、格安のPCスピーカーで聴いていても聞こえる。
だから今、MP3 256Kの音と原音を流されたら、原音のほうを当てる自信はある。
なら、WMAならどうなのかということになるのだが、ワウそのものはMP3よりは気にならない。というか、WMA 128K(通常はこれで使っている)だとMP3 256Kより確実に高域が後退するので、その分だけ気にならないだけかもしれない。
変な話、WMAの音に繊細さを求めること自体、無理なのではないのかという気がする。
モバイルではメモリ効率上WMA派なのだが、ワウと圧縮率以外の点ではWMAに軍配を上げる気にはならない。アタック音、音場、定位安定度、原音への忠実性などの点で、優れているのはもちろんMP3 256Kのほうである。
しかもつい最近、電池次第で音質が大きく変わることを発見した。100円ショップ電池だと、高域が全く出なくなるのである。通常使っているのはパナソニックニッケル水素電池だが、こいつだとWMA 128Kでも高域が延びるので、今回は、通常使用しているというだけの理由で、WMAフォーマットでテストをすることにした。
予定通り、紙面が尽きたようだ。次回はいよいよヒヤリングリポートである。
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