ハッキリいって2Dゲームが好きだ、3Dゲームよりも。
今、各種のゲーム機でどれがやりたいか聞かれたら、迷わずにファミコンかスーパーファミコンを挙げるだろう。
このご時世で、3Dゲームが流行っているのは承知している。今流行のゲームはどんなものでもほとんど3Dであり、その昔に流行ったゲームまで、強引に3Dにして出す時代だ。
たしかにRPGなんかに3Dは合っていると思うし自分でも好きだが、なんでもかんでも3Dにするのはどうかと思う。
その昔の2Dゲームのほうが、シューティングでもメイズでも、趣があったと思うのは私くらいだけなのだろうか。
それくらい2Dゲームは衰退している(少なくとも新規のリリースは)。
2Dゲームのほとんどは、今の3Dゲームと違って20分〜30分で終わってしまうものがほとんどだったし、極端なゲーム酔いというものもなかった。
私なんぞは3Dゲームでガンガン動き回るというヤツをやっていると、ものの5分くらいでゲロゲロになってしまうというクチである。3Dゲームが嫌いな理由の70%はこれだ。
それはともかく、今回はその昔の2Dゲームの中でも、シューティングでもなければメイズでもない、要はアドベンチャーゲームなのだが、その中でも特異なインタラクティブアドベンチャーコミックゲーム(略してコミック系ゲーム)とでもいうのであろうか、そのお話しをしたい。
コミック系ゲームと入っても、イベントの先々で動きのあるアドベンチャーなのである。
イベントが発生するとそのときどきで、それまで静止画のコミック系マンガだったものが違和感なく、そのまま一定時間アニメのように動くのである。
それは大部分のように、画面の一部にビデオのアニメが表示されるということではなく、マンガ表示だったものがそのまま自然とアニメーションに移行するというものなのだ。
今どきのFLASHなんかの、目とか口だけがパクパク動くというものではなく、画面全体のオブジェクトが動いたりする。
1シーン表示するのに、信じられないくらいの手間がかかっていたようだ。
初めはメガCDで出されていたが、サターンに移植され、PCにも移植された(たしか、Windows95プラットフォームだった。出たばかりのDirectXでサポートされていた)。
その記念すべき第一作目が、現在インターネットでも盛んに取り引きされている"ゆみみみっくす"であり、二作目がサターンで公開された"だいなあいらん"である。
どちらも、少女コミックの大御所、竹本泉先生の作品だ。
"ゆみみみっくす"のストーリーは、こうである。
すっとぼけた性格のゆみみが、不可思議な生き物を目撃する。
彼女の相棒は、ゆみみがまた寝ぼけていたのではないかと相手にしないのだったが、彼女の見た生き物は、そのうち学校のアチコチに出てきて大変な騒動になるのであった、というものである。
この手のソフトは、唯一これだけであったので、当時相当の人気があったようだ。
その人気を背景にサターンで公開されたのが、"だいなあいらん"であった。
恐竜が探検で探し出され、都市のアチコチでいろいろな用途に使われだした時代、その恐竜を操る人間を教育するための学校で、生徒"あんじぇ"と仲間が出くわす数々の騒動を描いた作品だ。もちろん、コメディ。
どちらも、前述の通りPCに移植された。
しかしおバカな私は、迂闊にも販売されていた当時それを目にしながら、そういうものが売られているということ自体を、全く忘れてしまっていたのであった。
たまに思い出すときもあったのだが、そのうち別のプラットフォーム(たとえば98とか2000とか)で移植されて出てくるだろうなどと軽く思っているうちに、お間抜けなことに今度は完全に忘却してしまっていた。
自分が"忘れていたことを思い出した"のは、それから数年経ってからであった。
商品がなかなか移植されて発売されない状況になりはじめて、私は焦りだした。
"買おうと思ったときには、売られていない"の法則通り、Windows95版発売から何年も経っていてかつ、プラットフォームも変更されていたので、既にこの商品はほとんど残っていなかった。
大慌てでインターネットで探し、大手量販店で探してもらって、ようやく倉庫の片隅に売れ残っていたものを売ってもらった。
しかしこの時も、私は大ポカをやらかした。
予算がなくて、"だいなあいらん"しか買わなかったのである。
そのときならまだ、"ゆみみみっくす"も残っていたにもかかわらずにだ。
このときは、「サターン版を持っているからいいや」と思っていたのであるが、最近やたらと欲しくなってきた。でも、もはや手に入れることはできない。
サターン版をPCで動かすフリーソフトがあるようなので、そちらで満足するしかない。
PC版"ゆみみみっくす"は、おそらく永遠に手に入らないだろう。
いまさらPS2で発売されることはないであろうが、PS3発売記念作品として移植されないであろうか。
メーカーではPC版の需要を読み違えたみたいで、一時期品薄状態だったものを大増産した時期があるが、その後そのWindows版は結構余って困っていたようだったので、今後Windows版が出る可能性は、ほぼ0であると思われる。入手の夢は絶望的な状況だ。
ちなみに、私は"だいなあいらん"の全シーン−100%を見れていない。
どういうわけか、どんなに苦労しても100%にできない状態で、今日に至っている。
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