何かが動き始めたエッセイPage95

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何かが動き始めた

更新が途切れ途切れになっている。

自分でもそれはわかっているのであるが、読んで面白いものを出せるような気がしない。

このエッセイを見に来ていただいている方には、楽しいものがあると思ってここに来ていただいていると思うのだが、どうあがいても今回はそうできないようだ。

それを承知で今回はそれにこだわってみたいと思う。

いつのまに日本はこんなヒステリックな社会になってしまったのだろうか。

それを感じるのは、帰り道をたむろするそこいらどこにでもいる一群の馬鹿笑いをそこらじゅうで耳にするようになったことだ。

バブル崩壊後、ヒステリックな馬鹿笑い声が響くのは一部の業績の大きく落ち込んだ会社の従業員に限られていた。「やけくそ」、そんな言葉がぴったり当てはまっていた。

バブル崩壊後の「空白の１０年」からさらに数年が経った頃から、ヒステリックな馬鹿笑いはそこらにある会社の従業員と思われる道歩く一群ならどこででも聞くようになった。

この頃は、このヒステリック馬鹿笑いはどこかに会社で働く会社員特有のものだった。

つまり労働生産にたずさわる人間のものだった。

しかし、現在ではこの馬鹿笑いはすでに労働生産に携わらない引退した老人の集団でもごく普通に聞くようになった。

ヒステリックな馬鹿笑いをしても状況が改善しないことを当人たちは知っている。

一時的に自分たちの鬱屈を封じることはできるが、根本原因は何も変わっていないので、鬱屈に耐えられなくなった時点でまた同じことを繰り返すのだ。そしてそのサイクルは際限なく繰り返される。

聞かされているほうとしてはうっとうしい限りなのだが、彼らがバブル期の働かずして楽して多くの金を得ることを求めている限り、おそらく今後永久に解決しない問題であろう。

日本人は個たるプライドまで捨てたいらしい。

そのほかにも、ここまでにいたる日本が捨ててきたものは、実に膨大なものだ。

モバイル以外のオーディオは完全に麻痺しているし、今の日本の電機メーカーの作れるものといえば、液晶テレビとＢＤレコーダーとデジカメ、携帯電話、炊飯器と冷蔵庫、洗濯機くらいだ。半分以上は特になくても困らないものばかりだ。

しかもその半分はほかの国の製品と比べて特に性能がいいというものでもない。

流通業界も１０年前とは見間違えるくらいに変わった（ある意味悪い意味で）。

かつて私は衣類の類はダイエーで買っていたが、いつのまにか売り場に行ってもまともなものを買えないようになってイトーヨーカ堂に乗り換えた。だが、いまではイトーヨーカ堂でもまともな衣類は売っていない。そこでつい最近まではジャスコで衣類を買っていたが、そのジャスコでさえ最近ではまともはＢＶＤのパンツさえ置かないようになって、次はどこで買おうか迷っている。

オクスフォードシャツでさえかつてはイトーヨーカ堂の十八番だったが、いまではお気に入りのものはユニクロでしか扱っていない。

捨ててきたものが多すぎて、本気で商売をやる気があるのかと思われるくらいだ。

普通捨てられるのはそのグループの中の悪い部分だと私は信じてで疑わない部類なのだが、どういうわけか彼が捨てるのはそのグループで唯一出来のいい部分なのだ。

残るのは取るに足らない部分のみ、売り物にならない部分だけなのに。

日本という社会は、どこまで自分のとりえを捨てていけば気がすむのだろうか。

個人が嘆いても仕方のないはわかっている。

日本全体の労働生産性が改善されてある程度金回りが回復するまで、街角からヒステリックな馬鹿笑い声が消えることはないのだ。

その労働生産性をある程度挙げる一手段として、コンピュータを使用して各種業務を自動化する手段がある。

そのコンピュータがここにきて変化を見せている。

大型コンピュータはグリッドコンピューティングやクラウドとして、小型コンピュータ－いわゆるパソコンはＰＤＡやタブレットコンピュータあるいはマルチスレッド処理などとして、コンピューターはここ１０年くらい進化が停滞していたが、ようやくその形が見える形で変わろうとしている。

どのような形が残るのかはわからない。

ようやくその変貌の動きが見えるだけで、問題が多いものも多い。