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Excel をデータベースとして使う
データベースを作りたいときには Access のようなデータベースソフトを使うこともできますが、Excel を利用する手もあります。Access の方が処理が速いとか扱えるデータの件数が多いといったメリットもあります。しかし、われわれ教師が使う場合データの量はそれほど多くないのが普通ではないでしょうか。Excel 97/2000 では1枚のワークシートで 65,536 行のデータが扱えます(ただし、こんなにデータ量が多いとかなり遅いでしょうが)し、1つのブックの中で複数のワークシートが使えるので、場合によっては Excel で十分だと思います。また、Excel の方が印刷や集計が簡単にできるという利点もあります。ただし、Excel をデータベースとして使う場合、注意しておかなければならないことやコツがあります。今回はこの点について紹介します。 1.テーブル まず絶対に覚えておかなければならないことは、Excel は空白行で囲まれた部分をテーブルとみなすということです。このように定義されたテーブル範囲に対して、さまざまな操作が可能になります。たとえば、[Ctrl] + [矢印キー] でセルの移動をしたり、[Ctrl] + [Shift] + [*(アスタリスク)] でテーブル全体を選択したりできるようにするためには、このルールでテーブルを作っておく必要があります。したがって、なるべく空白行のないように入力していくべきです。 さらに通常は1行目を見出し行とし、データは2行目から始めます。このような体裁を作れば、各列がフィールドに、各行がレコードになるわけです。 また、ワークシート上にテーブル(表)のタイトルをつけたい場合には、タイトルとテーブルの見出し行の間を1行あけるほうがよいでしょう。理由は上述のとおりです。 2.フォーム 次に簡単に入力する方法を紹介しましょう。メニューから「データ」−「フォーム」と選ぶと、フォームが表示されるはずです。このフォームを利用するとカード型データベースのような感覚でデータを表示させることができますし、新規データを入力することもできます。とても便利なのですが、これ以上カスタマイズできないのが欠点です。入力を受け付けるテキストボックスのレイアウトや大きさを自由に変えて独自の入力フォームを作るためには、VBA を使うしかありません。しかし、用途によってはこのままでも十分でしょう。 3.オートフィルタ データが入力されたテーブル内のどこかのセルが選択されている状態で、メニューの「データ」−「フィルタ」−「オートフィルタ」を実行してみてください。 見出し行のそれぞれのセルの右端に下向きの三角のマーク(▼)が表示されるはずです。この状態がオートフィルタのかかった状態です。試しにいずれかの▼マークをクリックすれば、ドロップダウンリストがでてきて、項目の選択ができるはずです。そして、ここで選択したデータ項目のみが表示され、その他のデータは非表示になるはずです。 つまりオートフィルタを使うと、簡単にデータの抽出(絞り込み)ができるわけです。複数の条件指定も可能ですので、上手く使えば大変便利です。 そして、このオートフィルタを使えば自由に絞り込みができるんだと考えて、どんどんデータを入力していくことが大切だと思います。データあってのデータベースですからね。 4.集計 「集計」機能を使うと簡単にデータをグループ分けしてそれぞれのグループの小計及び全体の合計の行を挿入できます。集計させることが可能なのは合計だけではなくて、平均やデータ数のカウントなども可能です。メニューの「データ」−「集計」を実行してください。 この機能を実行する前にグループ分けしたいフィールを基準にしてソートしておいてください。 詳しい使い方と使用例については、「 Excel の集計機能」のページを参照してください。 5.ピボットテーブル さらに複雑な集計やデータの分析を行うにはピボットテーブルを使います。 メニューの「データ」−「ピボットテーブルとピボットグラフ レポート」を実行してください。ウイザードが起動しますので、それに答える形で作成していきます。あとから手動で変更することも可能です。ピボットテーブルは非常に複雑な処理にも対応でき、Excel の大きな魅力になっています。 詳しくは、以下のページを参考にしてください。 ■「Excel のピボットテーブル(1/4) 〜 基本的な操作方法 〜」 以上、Excel をデータベースとして使う場合にぜひ押さえておきたいポイントを紹介しました。 |