水銀室流openSUSE11.2デスクトップ構築 その3

まったく余談ですが、LinuxデスクトップというとLinuxOSをデスクトップに利用した、という感じがしてデスクトップLinuxと言うとデスクトップ向けにチューニングされたLinuxディストリビューションという感じがします。
openSUSEは後者だと思います。

デスクトップとしての環境設定に精を出してきましたが、結局は使用するソフトウェアが全てです。

ソフトウェアの設定
openSUSE、というよりKDEではソフトウェアの関連づけが貧弱です。
Windowsのようにソフトウェアインストール時に関連づけを維持するかどうか、上書きするかどうかなどを訊ねられることはまずありません。
なので少し考えてソフトウェアのインストール順を決めましょう。

テキストエディタ LeafPad
ブラウザ Firefox
メールクライアント Thunderbird
OpenOfficeアップデート
Acrobat Reader
画像ビューア Gwenview
動画プレイヤー SMPlayer / VLCPlayer
音楽管理ソフト SongBird
音楽プレイヤー Audacious
半透明のコンソール urxvt
各種ウィジェット

テキストエディタ Leafpad
文字コードを自動で認識してくれる軽量なエディタが必要です。やはりエディタはデスクトップの基本です。
Leafpadをインストールします。
以前はYaSTからインストール可能だったんですが、GuruがPackmanに併合されたおり、なぜか11.2から消えています。ところどころ本家も切れてたりします。
しかたないのでRPMをダウンロードします。

なぜか本家から素直にダウンロードできません。訳わかりません。
RPM Searchから「leafpad opensuse」で検索します。


適切そうなやつをダウンロードします。


もっと簡単に入るといいのに。とぼやきながら。
ダウンロードしたRPMをクリックしてインストールします。インストールはどうやら一瞬です。

次に関連づけを設定します。
[システム設定]-[詳細]-[ファイルの関連づけ]を起動します。
既知のタイプ[text]-[plain]を選択し、アプリケーションの優先順位をLeafPadを最上位に持ってきます。

これでテキストファイルへの関連づけが完了しました。
Txt拡張子のファイルをクリックして、ちゃんとLeafpadが起動すれば問題ありません。

試しにLeafpadを起動してみます。



ブラウザ Firefox
openSUSE11.2のデフォルトは3.5ですが、やはり速度アップしたと標榜している3.6を採用したいところ。
すでに第一部でYaSTのリポジトリにはMozillaを追加してあります。
しかし実際にYaSTで検索しても、期待する最新バージョンが表示されていません。


下のバージョンタブに、他のバージョンが表示されているので、Mozillaリポジトリのものを選択します。
CPUのタイプなど気をつけてください。


チェックを変えると、アップデートアイコンに変更されました。


警告が表示されます。製造元をMozillaへ変更します。


インストールが完了すると、Firefoxのバージョンがあがりました。


もし起動時に表示されるエラーが気になるのなら、YaSTで他にFirefoxと名の付くものを更新してみましょう。

Firefoxはその挙動から、RAMドライブを使用したほうが速度がアップするような気がします。
RAMドライブを作成する手順はこちらを参照してください
 →RAMドライブでブラウザのパフォーマンスをあげる

Firefoxを便利に使うためには良いダウンローダを採用します。
  →使い勝手の良いダウンローダー


メールクライアント Thunderbird
KDEのデフォルトのメーラ、KMailはマイナーであるという決定的弱点を持っています。
メールソフトはやはりメジャーなものを使いたいところ。

というわけでThunderbirdをインストールします。
 →Thunderbirdのインストール

次にデフォルトメーラの切り替えを設定します。
[システム設定]-[一般]-[デフォルトのアプリケーション]を選択します。
Email Clientの選択して、他のメールクライアントを使う、を選択してそこに「thunderbird」と入力します。


これでウェブサイトなど、さまざまな場面でメールアドレスをクリックするとThunderbirdが起動します。


OpenOfficeアップデート
とりあえず最新版にします。私たちエンドユーザに出来ることはバグが修正されているよう祈るだけです。
OpenOffice 3.1 では、ひらがなの「る」が印刷されないという致命的バグがあります。3.2を目指しましょう。

やはり現在インストールされたバージョンが表示されます。


バージョンタブより、OpenOfficeのデータを採用します。CPUタイプに気をつけます


更新アイコンに変わりました。


多量の警告が出ます。気をつけつつ一つずつ「製造元を変更」を選択していきます。
場所によって更新ラジオボタンがバラバラなので、間違えてはなりません。


バージョンがあがりました。



Acrobat Reader
YaSTからAcrobat Readerをインストールします。
古いですがこちらに情報があります。
 →Adobe Reader for Linuxをインストール

Acrobat ReaderはYaSTのnon-OSSリポジトリからもインストールできますが、それでは英語版ビューアです。
実用に差はないとはいえ、やはり日本語版を使用したいところ。

Adobeからダウンロードしてきます。
Adobe Reader for Linux




ダウンロードしたバイナリファイルを右クリックして実行権を与えます。


次にコンソールからコマンドを実行します。

>cd ダウンロードしたフォルダ
>su
#./AdbeRdr9.3.2-1_i486linux_jpn.bin

これでインストールできました。
そしてpdfファイルに対する関連づけを行います。

インストール後、[システム設定]-[詳細]-[ファイルの関連付け]からPDFの関連づけに、AdobeReaderを最優先に設定します。



画像ビューア Gwenview
画像ビューアを調整します。デフォルトでインストールされているGwenviewがもっとも使いやすいのです。


ですがデフォルトのままではイマイチです。
まずマウススクロールで画像が切り替わらないとガマンできません。
起動したあと、設定から[Gwenviewの設定]から、マウスホールの挙動を「ブラウズ」にします。
これでマウススクロールで画像が表示されていきます。

ついでにサムネイルバーを縦に変更します。
プレビュー中に左下にあるサムネイルボタンを押したとき、サムネイルの表示が縦列になって見やすいです。

さらに余計な情報は必要在りません。表示からサイドバーのチェックを外します。


これでとりあえず使いやすい状態になりました。


動画プレイヤー SMPlayer / VLCPlayer
多機能な動画プレイヤーとしてSMPlayerを採用します。
 →プレイリストのあるSMPlayerで動画を再生




もし軽量な動画プレイヤーが欲しければVLCPlayerを選択します。
 →VLCPlayerで動画を再生する




音楽管理ソフト SongBird
iTuneのようなインターフェイスの高機能な音楽管理ソフトは、最近ミュージックブラウザとか呼ばれるそうで。
再生した曲のランキングやなんかが再生でき、なによりカッコいいです。これもMozillaソフトウェアです。
 →iTunes的なミュージックブラウザ Songbird




音楽プレイヤー Audacious
SongBirdはカッコいいですが、気合いを入れて音楽を聴くわけではなくダブルクリックして「これ中身なんだっけ」という確認程度のときに、構築してあるプレイリストを崩すのもイマイチです。
手頃なミュージックプレイヤも入れておきましょう。
VLCPlayerでもいいんですが、少しくらいプレイリストが格好いいのにします。
その手のソフトは何故か分裂、開発停止、後継とゴチャゴチャと分かれていきます。なんででしょうね。
というわけでXMMS系ソフト、Audicasです。

YaSTから「Audacious」を検索します。


起動します。
起動するのはデフォルトバージョンです。GTK版のはカッコ悪いです。

が、メニューをクリックしても黒塗りで表示されてません。


実はコレ、文字の色が黒だからです。液晶ディスプレイに目を近づけて、斜めから光を反射させて覗くとかろうじて文字が見えます。
左上のメニューから、終了の上のスパナをクリックすると設定に入れます。とりあえずスキンをデフォルトからクラシックにでも変更して逃れましょう。


スキンを選択します。Default以外ならなんでもいいです。


とりあえずClassicスキンを採用してみました。
メニューが見えるようになりました。



日本語ファイル名が文字化けしてしまいます。相変わらず海外フォントが指定されているからなので、SkinInterfaceで「UseBitmapFont」のチェックを外すか、もしくは、フォント一覧から日本語フォントを選択します。

UseBitmapFontsのチェックを外すか、Player/Playlistのフォントに日本語フォントを選択します。

MP3を再生しても音が出ない場合、設定のオーディオから「現在の出力プラグイン」を変更してみます。



半透明のコンソール urxvt
コンソールは利便性だけでなく、ちょっと息抜きもしたいです。
というわけで半透明のコンソールをショートカットに追加します。
 →半透明のコンソールを使用する

以下のコマンドをタスクバーのショートカットなどへ追加します。

urxvt -depth 32 -fg black -bg [90]gray -fn xft:Monospace:pixelsize=15

半透明コンソールが使用しやすくなります。



各種ウィジェット
最後にウィジェットの設置です。デフォルトの中からめぼしいウィジェットを選択しましょう。
右上のツールバーから、ウィジェットの追加を選択します。


とりあえずニュースを選択してみます。


その後はウィジェットの設定から、ニュースサイトのRSSのURLをフィードに設定します。
ニュースが表示されるようになりました。


写真フレーム
 よくみかける、画像のスライドショーを表示しておくやつです。

アナログ時計
 Vistaなどでどうしようもなく右上に設置してあるやつです。必要性は疑問ですが、あってもいいでしょう。

他にもソーシャルネットワークや付箋、天気、株価などがあります。
必要に応じて設置します。

さいごにツールボックスから「ウィジェットのロック」を設定しておくと、ウィジェットたちは動かせなくなります。
フワフワした印象から、壁紙に設置されたような感触になります。



デスクトップ構築はここまでで一段落とします。





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