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幻の新CW

ついに姿を現した新バージョン!

 おおっと、いきなりスクープだ! 2001年4月1日深夜、待ちに待たれたCardWirth エンジン・エディタの新バージョンが、公式サイトの System Refinery にて公開された。だが、残念なことに、何らかの理由で直後に公開が停止され、この原稿の執筆時点では跡形もなく撤去されている。筆者は運良くエンジンの新バージョンのみ入手できた(エディタの方は既に“404 File Not Found”になっていた)ので、少し触ったところの情報を速報で、お知らせしたい。
 その前に、一つ二つ注意を。このバージョンは直後に公開停止されたものなので……

  1. 本記事内容は、かなりの部分が不確定
  2. 絶対に groupASK へ問い合わせないこと

 以上の点、よろしくご了承されたし。


◆ 使用可能ファイルフォーマットの拡張

 ざっと見たところ「地味と言えば地味。派手と言えば派手」といった感じのバージョンアップのようだ。まずは分かりやすいところから行ってみよう。添付の Readme.txt に以下のような記述がある。

・PNG、MP3をサポート

 これなんかは、結構待ち望んでいた人がいるかもしれない。おそらくエディタの方でも扱えるようにしてあるのだろう。PNG をカード画像に使えるのか、MP3 で BGM を流すことができるのか、その辺はまったく不明だが、どちらも期待できそうな気がする。

 この取り扱いファイルフォーマットについては、まだ「オマケ」がある。本番で実装するかどうかは未定だが、という断り書き付きで、

・MNG、MPG、AVIをサポート?

 とある。詳しいことは書いていないので、断定はできないが、素直に考えるなら、どれも動画のファイル形式だ。これはちょっと面白いかもしれない。たぶん、背景に使えるようになったのだろうが、MNG あたりはカードにも使えるのかもしれない。メニューは良いとして、スキルやアイテムに使われたら、ちょっと目にうるさそうだ。


データが XML ベースに

 *.wid に代表されるデータファイルが、XML ベースに変更された。かなり地味だが、とても大きな変更だ。XML とは、みなさんご存じの HTML によく似た「マークアップ言語」で、世の中にあるどんな形式の文書でも記述できるという特徴を持っている。バイナリではなく、テキストデータなので、その気になれば Windows のメモ帳で編集することも可能だ。もっとも、HTML とは違って厳密な構造を要求してくるので、手入力はかなり気合いが入った人にしかできない。
 それでも、テキストエディタで部分的な編集をするというのならば現実的な話だし、適当なマクロを活用すれば効率も上がるだろう。

 XML というオープンな形式になったので、groupASK 以外からエディタやエンジンが供給される可能性も出てきた。とはいえ、いきなり何もかもをサポートするのは不可能に近い。出るとしても、差し当たっては編集補助ツールくらいだろうが、ひょっとしたらひょっとするかも。


◆ ネット対応?

 今回のリリースでもっともなのが、以下の部分だ。

・制限付きで、ネット上のファイルを読み込めるようにした。

 「ネット」という言葉が、インターネットを指しているのかどうか分からないが、そう考えたい。「制限」の内容についてはまったく不明。サンプルシナリオやエディタがないので、完全に想像になるが、今までのカードワースのあり方、そして今バージョンの変更点から考ると……

  • Readme.txt 閲覧機能の拡張としてのネット対応
  • XML で記述された Web ページを読むことができる
  • シナリオは、ローカルのファイルしか扱えない

 というところが妥当か?


スキン

 今までありそうでなかったのが、外観を変更する「スキン」「テーマ」と呼ばれる仕組みだ。Readme.txt には書いていないのだが、どうもそれが搭載されたようだ。
 根拠はフォルダ構造。宿の画像やデフォルトの音楽が入っている “Data”フォルダ内から、“Face”とか“MIDI”などのファイル種別のフォルダが消え、“Classic”や“Real”というフォルダが作られていた。
 “Classic”の中身は、今までの“Data”フォルダの中身+α(デフォルトメニューやボタンの画像や、設定ファイルと見られるXML文書)。面白いのは、“Real”フォルダの中身で、多くは“Classic”と共通だが、背景画像が実写になっているところが大きく違う。

 そう、実写なのだ。宿も、親父も、娘も! 宿のカウンターはイギリスのパブ風で、なかなか味わいがある。気になる親父は、なんと groupASK の赤塚さん! 親父の服を着ているし、例のヒゲで例のハゲなのだが、間違いなく赤塚さんの変装(というかレタッチ)だ。ほんの少しバカボンのパパフレーバーが漂っているが、これは赤塚繋がりを考慮しての、身を張ったギャグだろう。職人集団 groupASK は、当然そこまで考えているし、実行もする。
 こうなると気になるのが、宿の娘だが、こちらは赤塚さんと同年代の見知らぬ女の方だった。斎藤さんや倉貫さんの女装ではないので、安心(もしくはガッカリ)してほしい。このちょっと良い感じの女性が誰なのか気になるが、例によってまったく手がかりがないので、どうにもしようがない。順当に考えれば、groupASK あるいは赤塚さん個人とゆかりのある人物だろう。だが、CardWirth の女性ユーザーという可能性や、フリーの素材集から持ってきた写真という可能性も無いわけではない。真相は藪の中。

 親父や娘の実物写真をここに載せようかと思ったのだが、一瞬で公開中止になったバージョンという事情があるので、なかなかそうもいかない。案外、このフォルダの画像に公開中止の理由があったりして……。


◆ 最後に

 エンジンの現物はあるが、変更点を検証するためのサンプルシナリオやエディタが手元にないので、憶測だらけの記事になってしまった。そもそも Readme.txt の内容からして不確かな記述が多いので、次回リリースバージョンでは本記事の内容のいくつかが切り捨てられる可能性もある。いかにもそうなりそうな機能があることだし。

 もちろん、新たな情報や、エディタの新バージョンそのものなどが手に入り次第、裏付け調査をしていくので、しばらく待っていてほしい。何か情報をお持ちの方は、筆者にメールをプリーズ!

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