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質問王への道

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回答者の苦悩

※今回は、初心者向けということで、少し丁寧な言葉でお送りします。

 「押忍。召喚獣が分からんので教えて」
 ある日、見知らぬ相手から、こんなメールが届きました。あなたならどうします?

 こういうサイトを運営していると、メールや掲示板で個人的に質問を受けることがあります。もちろん、たいていの人はこの例のような無茶苦茶な質問はしませんよ。でも、これに近いような質問が、中にはあったりなかったり。

 隠れ体育会系としては、いろいろ文句を言いたくもなりますが、困っている相手をそうそうムゲにもできません。たっぷり時間をかけて丁寧に答えてしまいます。すると、次にこんなメールが届きます。
 「今度はステップが分からんので教えてにょ」

 あ、上記はフィクションですよ。ここまで暴虐な質問者はさすがにいません。ですが、いつか来てしまうかもしれません。こういう異星人からのメッセージが。それが恐ろしくて、サイトの更新もろくろくできない日々を送っています。嘘ですけど。

 もちろん「礼儀知らずは、おととい来やがれ!」とか「初心者はすっこんでろ!」と言う気はありません。徹底的に何も分からない、何が分からないのかすら分からない、という状況は、それほど珍しいことではありませんから。
 だからといって、こういうご無体な行動が全て許されるかというと、そうではありません。質問のやり方というものが、この世にはあります。

 このページでは、こういう風に質問されたら答えてみたい気になるなぁ、というやり方を紹介します。もちろん、このページの通りにやれば、間違いなく回答が得られるというものではありませんが、確率は上がると思いますよ。


◆ まずは自分で調べよう

  • ヘルプの精読は必須
  • 「リューン」と「ゴブリンの洞窟」は教科書
  • CWUN の過去ログは宝の山
  • CW GURU という手もある
  • 検索エンジンを使ってみる

▼groupASK製教材でお勉強

 まず大原則を確認しましょう。何か質問をする前に、自分でやれることは、可能な限りやっておきましょうね。特にヘルプをじっくり読むというのは、本当に最低限やっておかなければならないことです。これはカードワースに限った話ではありませんよ。ヘルプをろくに読まずに質問すると、犯罪者扱いされるような場所があっても不思議ではないです。ヘルプの熟読は、それくらいに当たり前の行為なので、絶対にやっておきましょう。

 いやいや、分量が分量ですからねぇ……とても読み切れませんぜ、ダンナ。そういう気持ちは分かります。ですが、その手の言い訳は通用しません。みんなヘルプを読んで、一つ一つ理解していったのです。また、ヘルプを書く手間を知る人なら、その手の発言には憤りを感じるかもしれません。
 ここは諦めてヘルプを精読しておいてください。その上で情報を見逃していたのなら、誰もとがめないでしょう。

 ヘルプの他に目を通しておくべき情報源に、FAQ(よくある質問)と「シナリオ作成講座」、それにシナリオ「交易都市リューン」と「ゴブリンの洞窟」があります。全部、groupASK プレゼンツですね。シナリオ作成への欲望が、激しく震えるハートビートとして胸を叩き付けている身には、ちょっとキツイかもしれませんが、グッとこらえて研究しておきましょう。

 最初から付いてくる2つのシナリオは、遊ぶための導入・入門シナリオであると同時に、作るための導入・入門シナリオでもあります。エンジンとエディタの両方を起ち上げて、遊びながら実際の処理の様子を学びましょう。この2つのシナリオのすべてを理解できれば、あなたも一人前です。基本的なシナリオを作るのに必要な知識を、すべて身に付けたと思って間違いありません。
 一見すると、うんざりするくらい長い道のりのようですが、実際に歩いてみるとそうでもありませんよ。まずは最初の一歩を踏み出してみてください。


▼CWUNの過去ログ

 ヘルプは読んだ。シナリオ作成講座もやってみた。ゴブリンの洞窟も頑張って理解しようとしてみた。それでも分からないところがある。そうなれば誰かに質問するしかありません。一番メジャーなのが、ご本家の CardWirth User's Network(以下、CWUN と略します)という掲示板ですね。目的別でいくつかに分かれているのですが、ここは質問ってことなので、Standard を使いましょう。
 さて、いざ書き込み……の前に、もう一つやっておくことがあります。それは、CWUN で交わされたやりとりの歴史「過去ログ(過去の記録)」を漁ることです。
 質問をする前に「ヘルプを読む」「FAQを読む」「過去ログを読む」は、この手のコミュニティーではどこに行っても常識となっています。ええ〜知らなかった! という人は、この場で脳味噌に刻印しておきましょう。知らなかったでは済まされないのが、この常識というヤツです。怖いですね。

 では、その「過去ログ」とやらはどこにあるのか? 掲示板に慣れていないと、ちょっと分かり辛いかもしれませんね。普通、過去ログへのリンクは、掲示板の一番上か一番下にあります。現在の CWUN の場合は一番上に過去ログへ通ずるボタンがあります。そこをポチッと押せばお宝部屋へご案内! ……になるはずですが、本原稿執筆時点では過去ログは何もありません。
 現在の CWUN は、2001年3月にスタートした、いわば「新生CWUN」でして、資産の蓄積はまだあまりありません。昔の CWUN の記録は、CWUN 入り口Archivesというリンクから参照できるようになっています。このページ内を検索(Ctrl + F)して自分の疑問に答えているログがないかどうか調べてみましょう。書き込みの中身までは検索できませんが、よくある質問ならば、きっと見付けることができるはずです。

 また、過去ログとして別枠でまとめられる前の書き込み記録ならば、掲示板画面上段にある検索アイコンをクリックすることで調べることができます。最低限、こちらの検索くらいはやっておきましょうね。


▼CWKNの利用

 簡単な質問ならば、CardWirth Knowledge Network(以下、CWKN と略します)を利用してみるのも良いでしょう。CWKN の詳細及び、CWUN との使い分けについては、公式サイトの First Step をご覧ください。
 元々、FAQ(よくある質問)を動的に作るのが目的の掲示板ですから、質問・回答が共に簡潔になるよう心掛けましょう。個人的な見解ですが、CWKN はあまり質問に向いているとは思えません。というのは、たった一言しか使えないため、的確な質問文を作るのは非常に難しいですし、的確な質問カテゴリーを見抜くのも、そう簡単なことではありません。回答欄を使って質問を書くのなら、まずは、CWUN Standard あたりで質問をしてから、結果を簡潔にまとめて、CWKN に自作自演(別に悪いことじゃないですよ)の質疑応答を書き込んだ方が良いと思います。


▼CW GURU という手

 実は、わたくしめはこのサイトの他にもカードワース関連のサイトを運営しております。シナリオ作りに役立つ情報を集めたサイト CW GURU がそれ。基本は、参考になるページやツールを集めたリンク集です。いろいろ回ってみてください。きっと収穫があるでしょう。

 他にも質問掲示板へのリンクや、制作上の Tips(小技。小枝にあらず)を集めた専門掲示板などがあります。これらの書き込みや過去ログにも、多くの有用な情報が埋もれていますので、掲示板の検索機能で調べてみてください。


▼検索エンジンを使ってみる

 CWUN や CW GURU は、カードワースに関する情報を探すにはとても有用な場所ですが、無料ホームページ領域の情報とか、FTPソフトの使い方などのように、少しカードワースから離れた問題について調べるのには、あまり向いていません。ここは、より一般的な情報収集手段「検索エンジン」の出番です。
 と言っても、皆さん既によくご存じですよね。Yahoo! JAPANとかgooとかGoogleのことです。今さら説明することもないでしょう。検索キーワードを工夫して、自力で調べてみましょう。


掲示板で質問してみよう

  • 質問は具体的に
  • サンプルシナリオを用意する
  • 問題が解決したのかどうか報告
  • 無反応でも恨まず・腐らず

▼質問文を考える

 自力で調べるだけ調べたが、どうしても分からないことがあった。
 さあ、いよいよ掲示板で質問する時が来ました。CardWirth User's Network に飛び込みましょう。見知らぬ人に接する際の礼儀と、これまで述べてきた自助努力に関する常識をわきまえていれば、決して怖い場所ではありません。

 まず最初に、質問文を練りましょう。このページの頭で取り上げた「召喚獣が分かりません」のような質問は、掲示板に集まった人を困らせるだけですよ。もう少し具体的でないと、何を答えたらいいのか分かりません。たとえば、見知らぬオジサンがつつつ〜と寄ってきて、「チミチミ、Windows が分からんので、教えてくれんか?」と質問してきたらどうです? ちょっと困りますよね。「召喚獣が分かりません」はこのレベルの質問です。

 この場合、召喚獣の何が分からないのか、もう少し具体的に考えてみるべきです。
 「んなもん、すべてだよ、すべて」。たぶん、そういうことなんでしょうね。だからといって「召喚獣のことが分かりません。全部教えて!」と書くと、紛争の火種になりかねません。自分が分かり切っていることを、わざわざ手間暇かけて説明する、それが回答という行為です。ですから、ただ楽をするために、アカの他人に無償労働を強いる、こういう不作法な質問は歓迎されません。何度でも繰り返します。まずは自分で調べてみましょう

 いろいろ調べたにもかかわらず、どうしても分からない部分が出てきました。「あれ、召喚獣が動かないことがあるみたいだな」。……実はこれ、CWUN で何度も質問が繰り返されてきたいわゆるFAQなのですが、運悪く、過去ログの中から情報を拾い出せなかったとしましょう。以下のような質問文なら、波風を立たせずに答えを得られると思います。

シナリオ作りの面白さに目覚めたばかりの○○といいます。
いろいろと試しているうちに、召喚獣についてちょっと分からないことが出てきました。

ちゃんと召喚しているのにもかかわらず、召喚獣が動かない場合があるようなのですが、動く・動かないを決定する条件らしきものが分かりません。

ヘルプやFAQ、この掲示板の過去ログなどを、自分なりに調べたのですが、それらしい情報を見付けられませんでした。
この件について何かご存じの方、できればご教授いただけないでしょうか?
よろしくお願いします。

 長い! でも、これくらい丁寧な方が、いろいろな問題が起きにくいと思います。この質問文を軽く分析してみましょう。

第1段落
軽く挨拶しながら、自分の知識レベルと、書き込みが質問であることを明示。
第2段落
質問の具体的な内容。前後に空行を入れることで、この部分を強調している。
第3段落
最低限の自助努力をしたことを示しつつ、丁寧な結びへつなげる。

 こんな感じですね。この質問文の構造が絶対! 決定版! というわけではありませんが、まず無難な書き方だと思います。
 特に注目してほしいのが、第3段落での自助努力の明示です。これは、知っていないとなかなか書けないでしょう。別に書かなくても問題は起きないのかもしれませんが、このケースのように、実は「よくある質問」だった場合、同じ質問の繰り返しにうんざりする気分を、多少は軽減する効果が期待できます。

 とはいえ、「FAQかもしれませんが……」と断り書きを入れるのは逆効果。FAQかどうかは、ちょっと調べてみれば分かることです。それをしていないということは、自助努力が足りないことを意味しています。ここで大切なのは「調べたけれど分からなかった」ということです。


▼サンプルシナリオの重要性

 ご存じのように、カードワースにおけるプログラミングは、アイコンを組み合わせていく「ビジュアル・プログラミング」です。プログラミングする分には直感的で分かりやすいのですが、内容を言葉で説明するのは難しく、説明する側・される側に、ある程度以上の知識がないと、まるで通じないやり取りになってしまいます。

 また、プログラミング上の問題を質問すべく、詳細に状況説明をしても、説明範囲に問題の核があることは珍しくありません。

 そんなわけで、プログラミングに関する質問をする際には、サンプルシナリオを用意しましょう。以下のようなメリットがあります。

  • 問題点を的確に伝えられる
  • 誰もが確実に現象確認できる
  • 回答を迅速・明確に伝えられる

 質問する方にとっても、回答する方にとっても、メリットが大きいことがお分かりになると思います。サンプルを用意するのは多少面倒かもしれませんが、サンプル無しの質問に的確に答えるのも非常に面倒です。他人の手を不用意に煩わす前に、まず自分の方が面倒な思いをしましょう。回り道に思えるかもしれませんが、特に問題が込み入っている場合、これが近道です。

 サンプルを用意する場合の留意点がいくつかありますので、箇条書きにしましょう。

  • ファイルサイズは最小に抑える
  • 確実に現象確認できる仕組みを作っておく
  • 著作権者の許諾が取れていない素材は、抜き取っておく
  • いきなりメールに添付しない

 新規シナリオを質問用に作るのが理想です。でも、そこまでするのは大変でしょうから、現在壁に直面している制作中のシナリオから、不要な部分を削除し、現象確認のための仕組みを組み込んで完成……くらいで良いでしょう。

 質問する前に、自分の領域(サイトのどこか)にアップロードしておいて、サンプルへのリンクを書いておけば完璧です。きっと良い答えが得られるでしょう。
 シナリオをメールに添付して、いきなり送りつけるのは、迷惑なのでやめましょう。誰もが恵まれた回線を利用しているわけではありません。メールでシナリオを送る前に、どのくらいのサイズのシナリオを送るのか伝え、回答者側の許可を得ましょう。

 ここまでできれば怖いものなし。あなたは質問王として、たくさんの知識を得ることができるでしょう。


▼アフターケア

 質問王であるあなたは、満足の行く答えを得ることができました。めでたし、めでたし……にはなりません。まず、わざわざ骨折りをしてくれた回答者にお礼をしませんとね。それから、掲示板で回答する目的は、あなたの救済だけではありません。あなたと同じ問題で困った人を助けることも重要な目的になっています。
 疑問が解決した後、できれば以下のような書き込みを行うべきでしょう。

  • 何が問題だったのか
  • どうやって解決できたのか
  • お礼
  • (同じ様な問題で困っている人がいたら、自分の経験を伝える)

 これらを馬鹿丁寧にいちいち書く必要はありません。引用をうまく使って、さっと仕上げましょう。たとえどんなに面倒でも、解決したのか・しなかったのかということと、お礼くらいは書きましょうね。さもないと、外野があなたの無礼を責めることがあります。そうなると、外野の外野が参加してきて一大論争に発展することもありますので、なるべくケチが付かないように気を使いましょうね。

 ただし、お礼の類は一切不要の場所もあります。そういう場合は、たいていどこかに説明がありますので、掲示板に書き込む前に、きちんと説明を読んでおきましょう。公式サイトの質疑専用掲示板 CWKN にはお礼不要の説明はありませんが、動的にFAQを作るのが目的のようですので、お礼の類の文は邪魔になりますので不要でしょう。回答者が分かっているなら、メールでお礼すると丁寧です。

 それからもう一つ、質問だけしてまったく回答をしない人がよくいます。仕方ない面もありますが、あまり感心できる態度ではありません。誰かに助けてもらったら、同様に誰かを助けるべきではないでしょうか。それが義務とまでは言いません。ですが、一度くらいは考えてみてください。

 あなたは決して無力な存在ではありません。コミュニティの発展のために、何かしらできることがあるはずです。まずは手始めに、掲示板で質問をしてみましょう!

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