一口にオーディオCODECといっても、図[Windows2000 CODEC] にある通り、いろいろな形式が存在し、OS毎、ユーザー毎に利用可能な形式も異なる。Microsoft の公式文書によると、Windows 95 / 98 / 98SE 共通のデフォルトなオーディオCODECは、以下の通り。Windows 2000 / Me / XP もこれらをデフォルトでサポートしている。Windows NT は資料がないので不明だが、たぶん大丈夫だと思う(無根拠)。
- DSP Group TrueSpeech Software Audio Codec
- Microsoft Adaptive Delta Pulse Code Modulation (ADPCM)
- Microsoft Interactive Multimedia Association (IMA) ADPCM
- Microsoft Groupe Special Mobile (GSM) 6.10
- CCITT G.711 A-Law
- CCITT G.711 u-Law
- Microsoft PCM Converter
Microsoft サポート文書 Q142745 や、Windows 2000 のヘルプを参考にし、これらの CODEC + MP3 CODEC の特徴をまとめたのが以下の表。
[表:各CODECの特徴]
| 音質 | サイズ | 備考 |
TrueSpeech | × | ◎ | 音質最悪。 |
MS ADPCM | ○ | ○ | 音質とサイズのバランスが良い。 |
IMA ADPCM | ○ | ○ | 音質とサイズのバランスが良い。 |
GSM 6.10 | △ | ◎ | バランスが良いが、ステレオ不可。 |
A-Law/u-Law | ○ | △ | メリットがほとんど無い。 |
PCM | ◎ | × | 無圧縮。標準形式。 |
MP3 | ○ | ◎ | 再生できない環境がある。 |
お奨めは、サイズ重視の GSM 6.10 と 音質重視の ADPCM。基本的に GSM 6.10 を使うことにして、ノイズが気になったり、ステレオで再生したい場合に ADPCM を使うようにすると良いだろう。ADPCM は2つあるが、どちらを使っても大差ない。ちなみに Windows 2000 のヘルプには、「(IMA) ADPCM コーデックは、複数のハードウェア プラットフォーム用に設計されていて、音質の良い、高いビット レートのリアル タイム圧縮を行います。IMA ADPCM は Microsoft ADPCM に似ていますが、4 対 1 の圧縮速度が速くなっています。」とある。あまり関係なさそうな情報だが、参考まで。
惜しいのは、MP3 だ。音質・ファイルサイズのバランスは最高なのだが、残念なことに、すべての CardWirth ユーザーが再生できるわけではない。
最初から再生できるのは、Windows 2000 / Me / XP。Windows Me / XP なら PCM → MP3 変換も可能。他の Windows を使っている場合は、MP3 CODEC を自分でインストールしなければならない。
MP3 CODEC が一緒にインストールされる代表的なソフトは、NetShow 2.0 と Windows Media Player 7。いろいろな意味で前者の方が手軽なのだが、なにぶん古いソフトなので、ネットでの入手は困難かもしれない。ASCII の Tech Win誌に毎号収録されているので、そこからインストールすると良い。再生だけでなく、PCM → MP3 変換も可能になるぞ。
念のため付け加えておくが、拡張子“.mp3”を“.wav”を変えるだけでは再生できないぞ。必ずサウンドレコーダの類で形式の変換を行うように。
|