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そこを穿つ!

カード使用時イベントの基礎知識

  • カード右クリックから使用時イベントを作成する
  • 「使用時イベントの設定」ボタンからも作成可能
使用時イベントの作り方
[使用時イベントの作り方]

 カードワース ver.1.20 で、アイテムカードやスキルカード内に独自のイベントを埋め込む機能が追加された。この内蔵イベントを「カード使用時イベント」と呼ぶ。
 作り方そのものはとても簡単。カードウィンドウの中から、目的のスキル・アイテム・召喚獣カードを選択して、右クリックから「使用時イベントの設定」を選択するか、カードを選択状態にして、カードウィンドウ右上の「使用時イベントの設定」をクリック。すると、見慣れたイベントビューが開くので、あとは普段通りにイベントを作るだけだ。

 普段通りに作るといっても、カード使用時イベントはカードに内蔵されるので、他シナリオへ持ち出すことができるという点には注意。以降、いつものようにちょっとばかり細かい話になる。

 以下、カード使用時イベントのサンプル集シナリオ「機能性札見本市」の添付文書と重なるところが多いので、お持ちの方は適当に読み飛ばされたし。

カード使用時イベントの制限

  • 持ち出し可能カードには機能制限が多い
  • 敵やNPCが使うカードは効果範囲や分岐コンテントに注意 
  • キーコードイベントより発火優先順位が高い 

 使用時イベントを持つカードを自シナリオ内で使う分には特に制限はないので、何も考えなくて良い。敢えて注意点を挙げるなら、[選択]のページ等で取り上げたカードの効果範囲(効果適用対象)の問題くらいだろう。
 一番の問題は他シナリオに持ち出した場合だ。いくつかの制限事項が出てくることは、[カードの罠]のページで説明した通りだが、後ほどもう少し詳しい解説を加える。

[カード使用時イベントの制限]
 
誤作動 制限 迷惑
他シナリオ バトル開始 エリア移動 パッケージへのリンク パッケージのコール フラグ分岐 フラグ変更 フラグ反転 ステップ分岐 ステップ上下分岐 ステップ変更 ステップ増加 ステップ減少 フラグ判定 エリア分岐 バトル分岐 キャスト存在分岐 アイテム所持分岐 スキル所持分岐 情報所持分岐 召喚獣所持分岐 キャスト加入 アイテム入手 スキル入手 情報入手 召喚獣入手 キャスト離脱 アイテム喪失 スキル喪失 情報喪失 召喚獣喪失 背景変更 BGM変更 効果音 シナリオクリア ゲームオーバー 画面の再構築
自シナリオ 無し 無し 無し
敵・NPC用 無し アイテム所持分岐 スキル所持分岐 召喚獣所持分岐 称号所持分岐 アイテム入手 スキル入手 召喚獣入手 アイテム喪失 スキル喪失 情報喪失 召喚獣喪失 無し

 他シナリオで誤動作するコンテントのあまりの多さに困惑を覚えたかも知れない。要は[カードの罠]のページで説明した通り、

  • 使える画像と音は、デフォルトと各シナリオフォルダ内のものだけ
  • 他シナリオでは、エリア・戦闘関連コンテントは使えない
  • 他シナリオでは、パッケージ関連コンテントは使えない
  • 他シナリオでは、フラグやステップは使えないか、誤動作する
  • 他シナリオでは、キャスト関連コンテントは使えない
  • 他シナリオでは、情報関連コンテントは使えない
  • 他シナリオでのカード所有分岐は、常に上の選択肢になってしまう
  • 他シナリオでは、カード選択消去は使えない

 つまり、シナリオに依存するコンテントは一切使えないということだ。そのため、戦闘関連コンテントであるがシナリオ依存がないバトル判定分岐は例外的に使用可能になっている。
 フラグやステップが使えないのはかなり痛いかもしれないが、クーポンやゴシップをうまく使えば案外なんとかなる。サンプルシナリオの「機能性札見本市」に収めた「要装填弓銃」や「ゴブの石」を参考にしてほしい。

 蛇足気味だが、使用すると迷惑をかけるコンテントというものも挙げておいた。中でも最悪なのがシナリオクリアだ。たとえ「済印」を付けなくても、一時的に配付したクーポンやゴシップが残ってしまい、まともにプレイできなくなってしまうシナリオがある。ゲームオーバーも一時ゴシップが残ってしまうという点では同じ。本当に迷惑なのでこれらは使用しないこと。

 
 さて、敵やNPCが使用するカードに、いくつか制限コンテントがある。実はこれ、記述が不正確。本当は特殊な制限事項などなく、コンテントはちゃんと本来の動作をする。
 この「本来の動作」というのが厄介。元々カードワースは敵やNPCを選択状態にすることができない仕様になっているのだが、ユーザー側が知恵を絞ってそれを可能にしてしまった。さらに、カード使用時コンテントの場合は、敵やNPCが使用するだけで、使用者自身を選択状態にしてしまう。本来不可能なものを可能にしてしまったところに厄介の種が潜んでいるのだ。具体的には下記の通り。

  • 敵やNPCの所持称号分岐はできない
  • 敵選択状態での適用範囲・判定対象「誰か」「全員」はプレイヤーを選択
  • 適用範囲「旧バージョン」を使ってもNPCは選択できない

 適用範囲の問題は[選択]のページが詳しい。ここでは、敵全体あるいは敵の中からランダムで一人を選択するには、それなりに技がいると覚えておこう。敵を狙うにはカード使用時イベントでなくて、カード本来の効果を使うのが基本だ。
 また、選択メンバや適用範囲をNPCに変更することは事実上不可能。イベント発火者がNPCの場合のみ、NPC自身を選択メンバや適用範囲にすることが可能だが、できたところであまり意味がないぞ。

 なお、召喚獣の使用時イベントの制限事項は、誰に付与された召喚獣かで決定される。NPCの召喚獣なら、NPCの制限事項が適用され、他シナリオで敵に付与した召喚獣なら敵の制限事項、さらに、他シナリオでの制限事項がプラスといった具合だ。

 
 最後にイベントの優先順位について。
 カード使用時イベントは、キーコード発火イベントより優先順位が高いため、カード使用時イベントとして設定した効果をキーコード発火イベントで抑止することができない。特に持ち出し可能カードを作る際は、この点を少し意識した方が良い。あまりに強力な効果をカード使用時イベントに設定すると、他人様のシナリオを荒らすことになりかねない。
 できるだけ、カード使用時イベントの効果をカード本来の効果として追い出す方法を考え、それができないのなら効果の度合いを控えめにしよう。特に慎重な扱いが必要な麻痺対象消去最大値ダメージ・ボーナス・ペナルティ等の使用は避けておきたい。

 この点を解決する手段として、シナリオ側で特殊なゴシップやクーポンを与えると、カード使用時イベントが発動しなくなるというものがある。仕組みとしては確実ではあるが、周知作業が極めて困難。やはり不作法なカードは最初から作らない方が良いだろう。

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