そこを穿つ! |
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「カードの罠」のページでも取り上げた通り、カードの属性を間違って理解している作者は多い。攻撃力を示す「値」や「レベルに対応する値」をきちんと理解している作者となると、正確に理解している方が少ないかもしれない。
前者の属性の問題は、エディタのヘルプをきちんと読めばそれで済むが、後者のダメージ値の問題はそうもいかない。ヘルプには曖昧な情報しか載っていないからだ。
「数値の隠蔽」をデザインポリシーとして掲げる CardWirth なので仕方ないとはいえ、シナリオを遊ぶ場合と作成する場合では、事情が異なってくるもの。
そこで、このページでは、公式にはあまり語られていないダメージ関連の情報を解明していく。ただし、公式資料が少ない分、憶測が多分に混じっているし、まだ解明し切れていない部分もある。例によって例のごとく、鵜呑み厳禁・御指摘歓迎ということで、ひとつよろしく。
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- 「カード効果属性」「抵抗属性」「モーション効果属性」の3種が存在
- モーション効果属性「肉体」「精神」「神聖」「魔法」には特に注意
アイテムやスキルなどの効果系カードには、様々な「属性」があるのだが、この辺の用語が多少交錯しているので、本ページでは、以下の通り、独自の用語で各属性を定義する。
- カード効果属性
- 効果系カード設定ダイアログ「カード」タブの「効果属性」
- カードそのものの属性になる
- カード抵抗属性
- 効果系カード設定ダイアログ「カード」タブの「抵抗属性」
- カードそのものの属性になる
- モーション効果属性
- 効果系カード設定ダイアログ「効果」タブの「属性」
- モーションごとの属性になる
各属性の意味するところは下表の通り。エディタ(特に、ver.1.25 以降)のヘルプをいじってみれば大抵のことが分かるはず。エディタのヘルプは、図のあちこちをクリックすると、細かな解説が出てくる仕組みになっている。見逃していた人は再確認されたし。
[表:カード効果属性]
物理属性 |
キャストカードの対カード属性「武器が効かない」で無効化される |
魔法属性 |
キャストカードの対カード属性「魔法が効かない」で無効化される |
魔法的物理属性 |
「武器が効かない」と「魔法が効かない」の両方を設定しないと無効化できない |
物理的魔法属性 |
「武器が効かない」と「魔法が効かない」のどちらでも無効化される |
[表:カード抵抗属性]
回避属性 |
かわすタイプの攻撃
敏捷度と慎重さで成否の判定を行う
回避力の修正を受ける
回避成功時は、ダメージ・回復無し
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抵抗属性 |
耐えるタイプの攻撃
精神力と慎重さで成否の判定を行う
抵抗力の修正を受ける
抵抗成功時は、ダメージ半減 回復失敗 麻痺・毒無効化
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[表:モーション効果属性]
全属性 |
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基本の属性。キャストの対効果属性の影響を受けない |
肉体属性 |
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対効果属性「命を持たない」で無効化される |
精神属性 |
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対効果属性「心を持たない」で無効化される |
神聖属性 |
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対効果属性「不浄な存在」がある場合のみ効果を発揮 |
魔法属性 |
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対効果属性「魔法生物」がある場合のみ効果を発揮 |
炎属性 |
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対効果属性「炎に耐性を持つ」で無効化される
対効果属性「炎に弱い」がある場合、威力が増大
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冷気属性 |
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対効果属性「冷気に耐性を持つ」で無効化される
対効果属性「冷気に弱い」がある場合、威力が増大
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無効化の優先度は、モーション効果属性よりカード効果属性の方が高い。だから「武器が無効」「炎に弱い」という敵に対して、「物理属性」「炎属性」の攻撃を当てても、完全に無効化されてしまうぞ。
モーション効果属性は、モーションごとに別の属性を設定できるので、組み合わせによっては面白い効果を実現できる。例えば、全属性―ダメージ + 神聖属性―回復 とすれば、不浄な存在に対しては効果が薄いか逆効果な攻撃になる。いろいろ工夫してみよう。
なお、このページでは、効果系カード設定ダイアログ「属性」タブの内容については触れない。効果目標や成功率修正等の設定なので、ほぼ直感的に理解できるだろう。分からなければヘルプを参考に。
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- ダメージは「値(効果量)」を元に計算される
- 「値(効果量)」がそのままダメージ値になるわけではない
- レベル比=「値(効果量)」×レベルではない
- 「最大値処理」は、数値入力欄の内容を無視する
ダメージや回復、それに毒や麻痺のモーションは、「値」の設定を伴う。「値」が大きければ効果も大きくなるので、ここでは「値」のことを「効果量」と呼ぶことにする。
さて、この効果量、基本的には体力の増減幅を示しているのだが、いろいろと複雑な側面があり、パッと見でその意味を推し量るのはなかなか難しい。
まず知ってほしいのは、効果量 ≠ ダメージ値 ということ。たとえば、ダメージの大きさとして、値の直接入力で 1 を設定すれば、ダメージ値は 1 〜 2 になり、値 10 なら ダメージ値は 2 〜 20 になる。
実は、ダメージ算定の際、CardWirth 内部ではサイコロが振られている。効果量は、サイコロの面数と個数を決定するための数値であり、ダメージ値そのものではなく、ダメージ量の目安を示しているのだ。完全な固定値ではなく、幅があるということを覚えておこう。
次に、モーションと効果量の関係について。これは表形式で説明した方が分かりやすいだろう。下記を見てほしい。
[表:モーション別 効果量の意味]
ダメージ・回復 |
ダメージ量または回復量の目安
「最大値処理」の値 = 最大体力
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麻痺状態・麻痺解除 |
麻痺の程度
時間経過と共に、一定量自然回復する
値が大きくなると、麻痺の自然回復量が減少する
値40以上で「石化」。自然には麻痺回復しなくなる
「最大値処理」の値 = 40
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中毒状態・中毒解除 |
中毒の程度
時間経過と共に、値に応じてダメージ
時間経過と共に、一定量自然回復する
値が大きくなると、ダメージ量増大、中毒回復量減少
「最大値処理」の値 = 40
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だいたい以上のようになっている。CardWirth における麻痺や毒は極めて強力な効果を持っているので、値は控えめにした方が良いだろう。効果量が20を超えると、自然治癒を頼りにしている敵や冒険者にとってはかなり厳しい。たとえ一発が軽くても、累積効果があるので、何度か当てれば致命的な攻撃になる。そういう点でも通常ダメージとはワケが違うぞ。
続いては「レベルに対応する値」について。簡単に言えば、使用者の能力に応じて変化する値のことだ。レベルに対応する値 × 使用者のレベル ≒ 効果量 がひとつの目安になるが、適性により値が大きく違ってくる点と、使用者のレベルが上がるにつれ、効果量への影響が小さくなる点に注意。
この辺の事情はかなり込み入っているので、詳細の解説は省く。拙作「CWダメージ計算機」をいじっていれば、だいたいの感じは掴めるだろう。
この項目の最後は「最大値処理」についてだが、上記の[表:モーション別 効果量の意味]でほとんど説明済みだ。ちなみに、最大値処理を選択すると「値」の欄の数字は意味を失う。0 でも 99 でも、[表:モーション別 効果量の意味]に書いてある値が適用される。
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- 攻撃の成否の判定は、対象1体につき1回だけ
- 攻撃の効果の判定はモーションごと
- 絶対回避・抵抗は、絶対成功に負ける
- 防御力の影響を受けるのは通常ダメージ系モーションのみ
- アイテム・召喚獣は行動力の影響を受けない
- 効果イベントの攻撃は、平均的な能力の持ち主による攻撃として計算
- スキルの「レベルに対応する値」は行動力の影響で効果量が増減する
ダメージの算定には、本当に様々な要素が絡んできている上、それらの要素がそれぞれに特例を持っていたりするので、簡潔に説明するのは難しい。取り敢えずは上記の箇条書きの分だけでも押さえておきたいところだが、それでも1ページにまとめるには情報が多くなりすぎる。よって、回避力や抵抗力、行動力などの各種修正値については、別の機会に回し、その他のことについて解説する。
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- スキルレベル判定。通れば次へ
- カードの相性チェック。通れば次へ
- 成否(回避・抵抗)判定。回避成功なら、9.の項目へ
- モーション相性チェック。通れば次へ。無効なら 8.へ
- ダメージ値算出
- 防御力修正を加え、最終ダメージ値を決定
- ダメージ発生
- 他にもモーションがあれば、4.の項目へ。無ければ次へ
- 効果対象が複数の場合、次の対象に対して、最初から繰り返し
正確なダメージ算定手順は、CardWirth エンジンのソースコードを見なければ分からない。よって、ここで語る算定手順は、あくまでも推測。OK?
では、まずはダメージ算定の大雑把な流れを確認しよう。
最初に行われるのが、スキルレベル判定。スキルカードのレベルがキャラクターのレベルより高い場合、判定が行われ、これに失敗するとカードの効果が発動しない。絶対成功スキルでもダメ。行動力最大でもダメ。ここで失敗すると結構悲しい。
次に、カード効果属性と、キャストの対カード効果属性による相性のチェック。相性が悪ければ、無効でした、ということでお終い。
カードの相性をクリアしたら、次は成否の判定。攻撃側は行動力やカードの成功率修正値の影響を、防御側は回避力と抵抗力の影響を加味し、成否を判定する。回避成功したら、無効化して別の対象へ。抵抗属性なら、どちらにしても次の段階へ進む。
攻撃が成功したら、最初に設定されたモーションの効果属性と、キャストの対効果属性の相性を見て、そこもクリアしたら、ようやく攻撃力の算定に移る。
モーションに設定された効果量(値)に、カードが要求する身体的適性と精神的適性による修正と、スキルカードの場合のみ行動力による修正を加えて、サイコロの面数と個数を決定。それをコロコロやって、ダメージ値を算出する。
ダメージ値が算出できたら、もし存在していれば相性(炎や冷気属性)による修正、抵抗属性なら抵抗成功時の修正(威力半減)を加えた上に、防御力修正を加えて最終的なダメージ値を決定。実際にダメージを与える。
モーションが複数ある場合、モーションごとの相性の確認以下を繰り返す。
全てのモーションを処理したら、他に効果対象が無いかどうか調べて、あれば次の対象へ、無ければ終了。
ざっと、こんな感じだ。すべてを理解する必要はないだろう。間違ってるかもしれないし……。
ダメージ算出の過程において特に押さえておきたいポイントは次の2つ。
- 回避・抵抗判定は、対象1体ごとに行う
- ダメージは、モーションごとに発生する
ダメージはモーションごとに発生するが、攻撃の成否判定は1回しか行われない。このことから、回避力ボーナスを持つ召喚獣は、回避属性の攻撃1回ごと、防御ボーナスを持つ召喚獣は、攻撃モーション1回ごとに使用回数が減る、という現象が起きる。
また、「眠り」のモーションを10個を並べても、「眠り」モーション1個の時と成功率は変わらないのに、効果量1の同属性ダメージモーションを10個並べると、効果量10 のモーションが1つの場合より平均ダメージ値が大きく(150%程度)なる理由もここにある。
ダメージモーションを分割すれば、必ず平均ダメージが上がるわけでもない。秘密はサイコロの面数と個数の関係。CWダメージ計算機の「実測」機能で表示される計算モデルに注目。
また、召喚獣の削り効果が大きくなるので、ダメージモーションの連装を嫌う人もいるので、扱いには注意。
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- ダメージ × (100 − 防御力修正の合計 × 10)% = 最終ダメージ値
- 防御力修正の合計は、+ でも - でも 10 は越えない
- 防御力最大でなければ、攻撃成功時のダメージ値1は保証される
- 単体で+10の修正がない限り、防御力修正最大にはならない
各修正値の解説は別の機会に……と書いたが、防御力修正だけは、ダメージを語る上で欠かせないので、このページでも簡単に解説しておく。
防御力修正は、ダメージ値に掛け算する形で使われている。防御力修正が無い状態なら、ダメージ × 100%、修正値+5なら、ダメージ × 50% という具合。防御力修正の合計が +10 に達しているなら、ダメージ × 0% で、ダメージがどんなに大きくても0になる(後述の「単体修正+10ルール」に注意!)。反対に最大ペナルティ(-10)なら、ダメージ × 200% で、2倍ダメージだ。
ちなみに、ダメージ × ○○% の計算の結果、ダメージ値が1を割り込んでも、最低限1は保証される。
各カードの所有時能力修正、カード使用時能力修正、鎧のマークでおなじみの防御力変化による修正……等々、防御力修正にはいろいろなものがあるが、計算にはそれら全てを足した値が使われる。
ただし、CardWirth ver.1.20 では、各防御力修正の値に単体で+10のものが無い限り、最大修正値に辿り着けないという決まりがあるのには注意。他にも細かな特例的ルールが存在しているような気がするのだが、はっきりとは分からない。よって、無視。
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- 毒・麻痺効果は防御力修正を受けない
- 毒・麻痺効果は抵抗・回避成功で無効化される
- 毒ダメージは、毒の程度をダメージ効果量として計算する
- 毒ダメージは完全に防御不能
[表:モーション別 効果量の意味]の説明で、CardWirth における麻痺や毒は極めて強力な効果を持っていると書いたが、その続きを少々。
実は、毒や麻痺は、防御力の影響を受けない。防御力ボーナスが最大値でも、回避・抵抗失敗すれば、100% の値の毒や麻痺を食らってしまう。さらに、タチが悪いことに、時間経過に伴う毒ダメージは、回避・抵抗・防御すべて不可。毒の値をダメージ効果量として弾き出したダメージを丸々食らってしまうのだ。麻痺はご存じのように一発死。毒・麻痺、まさに恐るべし!
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- 回復効果は防御力修正を受けない
- 回復効果は抵抗・回避成功で無効化される
回復は、ダメージと同じ「生命力」のグループに入っているが、細かな性質は「肉体」グループの毒や麻痺とよく似ている。すなわち、防御力修正を受けない。すなわち、抵抗成功で威力半減ではなく無効化。注意されたし。
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- 効果イベントによる死亡は、死亡イベントを発火させない
多少高度なシナリオを作るようになると、効果イベントやカード使用時イベントでダメージを与えてみたくなるもの。ただ、これらのイベントは、戦闘中の死亡イベントを発火させないので注意。特に、カード使用時イベントは、このことを知らない作者のシナリオにも影響を及ぼしてしまうので、ダメージを与える際は、くれぐれも扱いを慎重に。
ダメージだけでなく、回復1のモーションを加えるのは、この問題への対処として悪くないが、とどめを刺せなくなる。まあ、敵を対象とするカードは、カード本来の効果としてダメージを設定するようにしよう。
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