先ずは、西崎氏の仕業から見てみましょう。
登場人物編
●サーシャ(真田ミオ): 【ヤマトよ永遠に】の主人公。
言わずと知れた「え?なんで1年前は赤ちゃんだったのに」という疑問を見事に解き放ってくれたマジックです。
どちらの発案かということになりますと、「ヤマトよ永遠に」のロマンアルバムに松本氏のコメントとして「新たなる旅立ちの続きとしてみて欲しくはない。サーシャの年齢には気をつかった」と書かれています。誰が、どうやって考えたか?という事は詳しくわかりませんが、松本氏が積極的に参加したことを考えると、松本氏あたりかも知れません。
●沖田艦長: 佐渡先生の診察ミス。ということですかね。
アメリカで発売されている(ボイジャー・エンターテイメント発売)コミックには(一応、後からつけて足したような設定ですが)、アルフォン少尉の住居が(あの占領したときに確保した別荘みたいなところ)沖田艦長の療養所だったようで、そのようなシーンが描かれています。
具体的は、アルフォン少尉が入る前に逃げる老人の姿があって、写真を一枚落としていってしまい、その写真が沖田艦長の一人息子です。
やはりヤマトの指揮を執れるのは沖田艦長だけなんでしょうか?実在の大和の艦長も何度か替わっていますし。
誰が、沖田艦長を蘇らせようと考えたかは不明。宇宙戦艦ヤマトを九州の坊ヶ崎に戻したいと考えたと松本氏は、書いていました。
西崎氏は、宇宙は海!と憚って譲りませんから、どっちの発案かは、さっぱりわかりません。
●女神達: ヤマトには毎回ヒロインが登場します。「愛」の象徴であるわけです。
この「愛の象徴」がヤマトの一つの味となっているわけで、これはマジックと言うよりもドリームという感じでしょうか。
【宇宙戦艦ヤマト】:これはご存じ。スターシャ。まさに松本キャラの最高級デザインですね。アニメーターがどうしてもかけないと言うので自分で書いたとも。
このデザインは、絶対に松本氏。ただし、「新立ち」「永遠に」のスターシャは、ちょっといただけないな。目が全然違うもん。
遠くから「そぉっと」ヤマトを見守る姿に感動を覚えます。
【さらば宇宙戦艦ヤマト】:宇宙へ危機を発信する「愛」の象徴である「テレサ」。
重力砦の中で一人幽閉されていた。ズォーダーを倒すために特攻をかけるヤマトの水先案内人として最期を迎えた。
テレサの声がなんとも甘く切なく、聞こえてきましたね。
【ヤマト2】:テレビ放映にあたって一張羅のワンピースを着て登場した。ところでテレザリアムではどうやって食材を取り寄せていたのでしょうか?
祈ることによって、膨大なエネルギーを発してしまう事がある。白色彗星の進路を変更させるために惑星テレザートともを爆破させてしまうとは、、、
【新たなる旅立ち】:赤ちゃんのサーシャ登場。あどけない表情が涙を誘いました。
が、しかし、その日の晩から、にょろにょろと成長していく姿は、正に人生の早送り。1年で18歳だから、半年で9歳。ひと月で1.5歳という急成長ぶり。
どうやって多感な成長期と学力を身につけたか、それが謎。きっと脳味噌の吸収力が、地球人とは違うのでしょう。私は、未だに「微分、積分」とか「E=MC2」が、さっぱりわかりません。イスカンダル人の脳味噌は、多い日も安心!ロリエ・スーパーナイト!位の勢いがあるのでしょう。
【ヤマトよ永遠に】:あの「サーシャ」が!という驚きでいっぱい。
母親の元へ帰るというのが最期ですが、いったいどういう意味を持っているシーンだったのでしょうか?
恋することも十分に知らない少女が地球のために戦ったのですから、これは悲しすぎる設定だ。しかし、またもやしかし!実は彼女「オーディーン」という翌年に公開された映画の中で、ちゃんとヒロインを演じていました。
しかも、オーディーンの中で服を脱がされたりしていたようで、これはビデオの再販を望む声が多くなることでしょう。
でも、ちょっと待って欲しい。サーシャが生きていていたとしたら、後の世界は、どうなると思いますか?ここをくりっくすると、それがわかりますな。(手前味噌)
【ヤマトV】:ルダ王女がヒロインだったと思うんですけど、なかなか登場しませんでしたね。もっとも、今回の場合は「ヤマト」の女神ではなくて、「宇宙全体」の女神として登場したので、インパクトに欠けたというか、揚羽君だけ抱きしめて、土門君を放っておくのは、いかがなものでしょうか?ベムラーゼ首相だって死んだんですよ。一応祖国のために。「今の私に、こよなく愛しいのはルダ。君だよ」ってベムラーゼ首相が言ったっていーじゃん!。
【完結編】:たぶんヤマトの今までの主張を詰め込んだ女神が「アクエリアス」。
「愛」とは甘美な物でなく、時に冷たく厳しく見守ることも大切なことということがメッセージでした。
試練なのですね。
全女神の中で、この人が一番動きませんでしたっていうか、セル画になっていないのは、この方だけでしょう。え?惑星アクエリアスでヤマトに説法したとき、口パクがあった?ないですよね?
私のテレビでは、口パクはおろか、まばたきすら見えません。ひょっとしたら同じタイミングでまばたきするから、わからないでしょうか?
っていうか、もしも、ヤマトが違う浮遊大陸に着水していたら、どーするつもりだったんでしょう?大学の教授が教室を間違えて、誰もいないところで受業をしているようなもので、評価は下がるんだろうな。
「今日は、さぼりが多いなぁ。コーヒーでも飲んでくるか」とか言って。
それから、アクエリアスから水柱が来るときに、浮遊大陸は流れてこないんですか?
自然保護団体が、ゴミ袋を持って集めに来そうな。(ないよね)
【ヤマトシリーズ】:その中で不動のヒロインといえば「森 雪」さんでしょう。
アナライザーに結婚を申し込まれたり、藪に連れ去られたり、斉藤に恋をされたり、アルフォン少尉に求愛されたり、島に「やっぱり君のことが」と言われたり。
この方がヤマトシリーズの花でしたね。松本美人として立派な立場を築きました。
っていうか、描く人によって、セクシーになったり武道派になったり、急に老けたり。999のように小松原さんが居てくれればなぁ。
どーでもいいですけど、カルダン風にまとめたワンピースですが、あんな余計な物を持ち込んでもいいの?それから、言いたいことはいっぱいあるけど、日本人は、やっぱり黒髪だよね。SF設定も、そうとう未来を先取りしていたけど、人間設定もさすがなもんですね。
設定他
●地球(我々の住む星): 西崎氏が地球をどんな目に遭わせたかを検証してみましょう。
【宇宙戦艦ヤマト】:第一作目では放射能ザクザクの吐き気をもよおすような大気で汚染。地上に生きる生物は皆無。
本当に、見るに忍びない地球を槻間さんは書いてくださいました。想像すると、いかにもなりそうな雰囲気ですよね。
【宇宙戦艦ヤマト2】:ズォーダー大帝の超巨大戦艦の砲撃により月が白熱化するばかりか、地上も焼き尽くされる。
【ヤマトよ永遠に】:暗黒星団帝国の侵略により地上は破壊され、地球にすむ人々は殺されまくった。しかもハイペロン爆弾を打ち込まれた。
後に、興味本位で使った人が居たりして。
【宇宙戦艦ヤマトV】:太陽の核融合異常増進により地上は灼熱の地獄へ。極地の氷は溶けて巨大な津波が襲い、あるいは大干ばつへ。
ちょっと「さらば」の使い残し的な設定が残念。
【完結編】:ディンギル星人により地上を破壊され、アクエリアスからの水で水没寸前。
人類をエラ呼吸にして対応するという作戦は出なかったのでしょうか?
上半身が魚で下半身が人類。そう、この状態を「人魚」とはいいませんよ。半漁人です。早トチリしないように。でもなぁ、目が離れてるしなぁ。鯉みたいなのになったら、小さなヒゲがはえるんだぜ。ウロコが取れたりして落とした日には「おい!誰だ扉にウロコを付けっぱなしにした奴は!?」とか怒られるんだぜ。
音楽集編
●交響曲「宇宙戦艦ヤマト」: あのNHK交響楽団が演奏、作曲は羽田健太郎氏。ついでにNHKで放映もされたというライブ録音。
この模様を収録したレコード(CD)に西崎氏が、どのようにクラシックに目覚めたかが書かれています。
中学校1年生だった頃に恋をして、眠れなくて、朝霧が降りる林を見つめ、レコードに針をおろす。
そこで流れてきたのはチャイコフスキー「白鳥の湖」の序曲。この心理状態にしてこの名曲!クラシックに目覚めたのはこのときだったと書かれています。
そして、その情熱はヤマトの音楽を作り上げ、この交響曲を書き上げた羽田氏にして「人生の半分におけるうちで最高作品になり得たことを西崎氏をはじめ関係各位の方々に御礼を申し上げます」と言わしめる程になりました。
うむ。
ところが、、、その素晴らしい情熱の反面、、、、
●交響組曲「宇宙戦艦ヤマトV」にて宮川氏は「作曲家として良い曲を書いたとしても書き直しすることになる」とぼやき「思った通り作れない」と嘆いてもいる。
しかし、、その反面、、、
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