tinyBasic2
PIC32MX上でtinyBasic2インタプリタを動かそう
The Tiny Basic2
元ネタ: 1990-1-1
Raspberry PiにTinyBasicが移植された。
これをPIC32MXで動かしてみました。
- Raspberry Pi版は、コードサイズで64kB程ありますので、Flash容量32kBのPIC上で動かすのは無理でした。
- が、その元ネタになっているほうのBASINT.cは14kB程度(Cソース、exeファイルともに)ですので、32kBのFlashに入ります。
- 実際に動かしてみると、BASIC INTERPRETER自体の占有ファームウェアサイズはmips16で4kB程度、MIPS32でコンパイルしても8kB程度に収まっています。
- putch(int c)相当の関数さえあれば動作しますので、PIC32MXに限らず他のマイコンへの移植も簡単です。
ダウンロード
ファームウェアソース:mxvga.zip
ライセンス
- basintのほうはオリジナルサイトを見てもライセンスはunknownとなっています。
- tinyBasic 2のほうはGPL v2でした。
- 投げ遣りですが、この版も、GPL v2で宜しいのではないかと考えております。
ソースコードをぱっと見たところでは、
- 手書きのパーサで、あんまり宜しくない。
- 処理もかなり不備がある
ように見受けられますので、たぶん、読者の貴方が1から書き直したほうがずっと良いBASICが作れると 思います。
- test.bat を起動すると、MinGWのgccを使って、Win32コマンドライン版の実行を行います。
- PIC32MXへの移植では、printf,scanf(現状はダミー)が必要になった程度で、ほぼ手直しなしで動いてしまいました。
- BASICソースはC言語中に文字列で格納してありますが、改行コードが
- オリジナル版では CR+LFのところを LFだけでも動作するように改造するのに結構手間取りました。(その必要性は薄かったのですが)
- また、tinyBasic2の素数プログラムを走らせようとすると、basintのBASIC文法実装が足りていなかったので文法エラーで実行できませんでした。
- そこで、いくつかのステートメント処理はtinyBasic2からバックポートさせて頂きました。
課題
BASIC動作中は画面にジッターが出ます。--- ジッターは対策しました。- 終了するとジッターは消えます。
原因は究明中ですが、よくわかりません。--- 実はよくわかっていません。割り込み応答が2〜3クロック後、というマニュアルの記述が気になるところです。遅延スロット?それともmips16/MISP32遷移?- MIPS32ビルドは試しましたが、症状は変わりませんでした。
- div,mul命令を使わないようにしてみたのですが、直りませんでした。
- 乗除命令を使わずに32bit div / mul を書きました。今は使っていません。
答えは、2クロック命令だそうです。(kats_me様、ありがとうございます)
- RISCなのに2クロックって、知りませんでした。単なるストールとは違うのかな?
- 単体BASICコンピュータとして完結させるためには、キーボード入力部分(PS/2かな?)やセーブロード部分(SDカードかな?)
などの増設の必要性がありそうです。
応用
- 単体BASICコンピュータ
- basint.c のみを再利用して、別のマイコン(ARMとか)へ移植。
- basint.c を拡張。というかFlash容量さえあれば、tinyBasic2をそのまま利用でもOK.
- RS-232C TTY端末。例えば、Linuxのコンソールに使う。(玄箱のttyコンソールとか)
- basic以外の言語を動かす(ForthとかLuaとか)
- CG-ROMを適当に拡張して、SD-Card上の漢字dotを使用して漢字混じり表示。
- 1画面に出せる漢字の種類(個数)に上限を設ければ可能。
USB経由のBASICコンピュータを目指す
- KeyBoardやsdcardを繋げるのが面倒なので、とりあえずUSB-CDCデバイスまで取り込んで、
- WindowsPCからBASICが使えるようにしようという試みです。
(仮)ダウンロード
USB入りファームウェアソース:cdcbasic.zip
- 現状のものは、USB-CDCデバイスとbasicインタプリタを同居させてはいますが、
- basicインタプリタはまだ対話型に拡張されておりません。
- とりあえずprime_vanilla.cを実行したあとは、Teratermなどから、VGA画面にエコーバックのみ行なえます。