Sazanami は *.wav などの音声ファイルを編集するソフトです。
本ソフトウェアは「無料ソフト (寄付歓迎) 」という扱いで公開しているものです。
寄付は義務ではありませんが歓迎しています (案内ページ)。
寄付やバグ報告などの反応があると使っている人がいることが判りますから、できる方はそのようにしていただけると幸いです。
耳で聴いての微調整に思いのほか時間がかかり、ほぼ一年かけてしまいましたが、今回の音楽用時間伸縮装置 (phase vocoder) の改修で音はかなりピントの合った聞こえ方になったと思います。
排他モードでの再生に限り、ディザリング&ノイズ シェーピングの設定が再生に反映されるように仕様を変更しました。再生時にサンプリング レート変換を行う場合は、ディザリング&ノイズ シェーピングをするのはサンプリング レート変換の後になるので、44.1 kHz でディザリング&ノイズ シェーピングされた音を聴くには 44.1 kHz 動作が可能なデバイスを使用してください。また 24 ビット再生オプションは無効にする必要があります。
今回 Opus 形式ファイル (*.opus) の読み書きができるようにしましたが、当該コーデックに特徴的な事柄について少し説明します。
Opus コーデックが内部で使用するサンプリング レートは 48 kHz のみなので、Opus ファイル作成時に選べるサンプリング レートは、ファイルに格納される音声データそれ自体のサンプリング レートではありません。これは作成されたファイルを後で非圧縮の PCM ファイルに展開する場合に、どのサンプリング レートに変換するのかの指示です。再生は 48 kHz でするのが楽なので、この設定は一般的には再生ソフトの挙動には影響しません。
GPU の使い道については、効果「リバーブ」「FIR フィルタ」等の内部で行っている、長い FIR フィルタの使用を想定して FFT を使うタイプのたたみこみ演算のみに使用することにしました。また、使用する API は Direct3D 12 になりました (要 Windows 10/11)。
サンプリング レート変換等の、時間波形リサンプルについては、演算量に対して GPU に処理を委託するための手続きのオーバーヘッドが大きく、この目的での GPU の使用はとりあえず見送ります。
GPU でたたみこみを行う機能を有効にするには、以下のように設定を変えてください。
一般的なパソコン向け GPU は倍精度 (64 ビット浮動小数点) の計算は速くないので、倍精度のたたみこみ演算には GPU は使用しません。
たたみこみ演算の速度については、作者環境でのテストでは下表のようになりました。
AMD A8-7600 4 コア CPU |
AMD A8-7600 内臓 GPU |
NVIDIA GT 710 |
|
---|---|---|---|
時間 (秒) | 18.2 | 16.3 | 16.1 |
時間 (相対値) | 100 % | 90 % | 88 % |
テスト データ |
FIR フィルタ長: 0:03.082 音声ファイル長: 4:58.997 フォーマット: 44,100 Hz / 2 ch |
||
動作環境 | 4 スレッド使用 | Direct3D 12 Adrenalin 21.5.2 |
Direct3D 12 Driver: 472.12 |
スペック&使用メモリ | |||
GFLOPS | - | 553 | 366 |
シェーダー数 | - | 384 | 192 |
クロック | 3.1〜3.8 GHz | 720 MHz | 954 MHz |
メモリ | DDR3-1333 dual channel | GDDR5 1 GB 20.0 GB/s |
v1.8.0 からの、サンプリング レート変換や一部の効果等、リサンプルに関係する機能に残っていたバグは、見つけた分は直しました。当該箇所は公開するだいぶ前に改修した部分ですが、結構残っていて申し訳ありません。
このときの改修はリサンプル等の音声処理に GPU を使えるようにするのが主な目的だったのですが、手持ちのマシンが古く、テストや性能評価が不十分なままなので、GPU を使用するオプションは現状では伏せてあります。
今回から表示する波形グラフをタブで切り替える方式を導入しています。タブの並ぶ部分は非表示にすることもできます。
また、元の MDI を使う方式にも戻せるようになっていますが、戻すには以下のようにしてください。
ビット数を切り下げて 16 ビットにした音声を WMA Lossless 形式で保存する場合も、ディザリング・ノイズ シェーピングの設定に沿った挙動になるように変更しました。細かい事柄なので、何のことか解らない方は気にする必要はありません。
今回は音楽用の時間伸縮装置の作り直しをしています。
新バージョンでは、ステレオ音声の場合はチャンネル間の位相の関係を保つようにすることで、元のステレオ感をおおむね保った音が出せるようになりました。
気にはしつつも長い間手を付けなかった問題に今回取り組みましたが、聴いてみて音が良くなったと思った方は寄付で反応を返していただけると幸いです。
時間伸縮波形のファイル出力が欲しい場合は効果「ピッチ/テンポ」で可能です。
日本語環境でない場合には、メニューやダイアログ ボックス等のテキストが英語で表示されるようになりました。ヘルプは日本語のみのままです。
英語テキストは外部ファイル一つにまとめてあり、テキスト形式なのでユーザーによる変更や修正が可能です。既定のインストール先ならば以下のファイルです:
C:\Program Files\Sandango\Sazanami\UIText\en.txt
英語の拙い表現や通じない表現などがありましたら、教えていただけると助かります。
日本語環境で英語表示にしたければ以下のようにしてください。
ソフト内部で使用している文字コードが UTF-16 になりました。それに伴い設定ファイルの文字コードも変わりましたが、前バージョンまでの過去版で作成された設定ファイルは問題なく読めます。
逆に過去版で新しい設定ファイルを読もうとするとハングアップするので (メイン ウィンドウが出ません)、過去版の再インストールは控えてください。今バージョンをアンインストールする時に設定ファイルも削除し、その後、過去版を再インストールするのなら問題ありません。
ちなみにハングアップしたアプリケーションは OS 付属のタスク マネージャーを使うか、一度サインアウト (ログオフ) することで強制終了可能です。
機能に変化はありませんが、シェアウェアの頃の旧ライセンス キーを入れておきたければ以下の手順で可能です。
長い FIR フィルタのたたみこみ演算と、効果「リバーブ」での反射経路計算 (五角形床&傾斜天井の設定時) で、CPU コアを 3 個以上使った並列処理ができるようになりました。設定を変更するには以下のようにしてください。
設定がスレッド数なのは、OS が別々なコアに割り振ってくれることを期待して複数のスレッドで処理を行う仕組みだからです。
CPU が SMT (Hyper-Threading) の場合にコア数を超えるスレッド数を指定するのは問題ありませんが、どの程度違いが出るか把握していません。
Windows 7 以上の場合は OS 搭載の機能を使って M4A/MP4 (MPEG-4) ファイルの展開・再生ができるようになりました。また従来通り DirectShow フィルタを使うこともできます。設定を切り替えるには以下のようにしてください。
このソフトでは動画の再生やサムネイル表示はできますが、切り貼り等の編集はできません。
VST ホスト機能はバージョン 3 系 (VST 3) に移行しました。それに伴い VST 2 系プラグインは使用不可になりました。
Sazanami Help
Copyright (c) 2024 Narumi Watanabe.
All Rights Reserved.